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アデライン、100年目の恋のベイビーのレビュー・感想・評価

アデライン、100年目の恋(2015年製作の映画)
3.6
まずい、アデラインに恋している。

主人公は100年経っても老けないということは、脳も老けないってことですから、どんどん知識が溜まる一方だし、所作も洗練されていくんですね。そういった"知的で謎多き美しい女性"という難しい役を、ブレイク・ライヴリーは上手く演じたと思います。

まず、題材が素晴らしいですよね。普通、時間や年齢の制限があるからこそ、一つの愛に対して「永遠か」という真価が問われるわけで、その真価の答え方によって、その愛が本物かどうかの見定めができると思うのです。

しかし、アデラインは一人だけ"永遠"が現実となり、誰とも時間を共有できないまま、時間に置き去りにされて生きています。彼女にとって時間は残酷なものでしかありません。前の夫を亡くしたのは事故前の話ですが、事故後の彼女はどんなに楽しい時間を過ごしても、他人との時間に取り残されてばかりです。

実の娘はとっくに自分の年齢を越えてしまって、今までの愛犬たちように、娘を看取ることも時間の問題です。それは恋人たちとの時間も同じこと。二人での時間を同じ歩幅で歩めないため、いつもアデライン自ら恋を諦めるしかないのです。

アデラインの人生は、諦めの人生。ときに「永遠」は、足かせになってしまうことをこの作品で気付かされました。「愛は二人の将来を想像するもの」だということも、この映画だと説得力が違います。
そう考えると"時間"と"愛"は、密接な関係があるのかも知れませんね。

ま、少々この物語の落とし所に不満(なんでアデラインばっかり、2度も3度も奇跡が起こるんじゃい! とか、せっかくの題材をそういう風に処理するんかい!とか… )がありますが、トータルで見て素敵な作品だと思います。多分、ブレイク贔屓が大きいかな?

家族で男女対抗戦のゲームをしている時、手加減しようとしていたアデラインが、エリスに「女性はピンク」と言われてから目の色を変え、本気になった姿に萌え。ああいう勝気な女性、素敵です。

自分の好みはよしとして、ちょっと変わった恋愛観を学べたのかな? でも、おとぎ話過ぎて参考にはならないか。
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