ぐりんでる

劇場版 PSYCHO-PASS サイコパスのぐりんでるのレビュー・感想・評価

4.2

映画はね。ただ映像を見るんじゃない。自分の感覚を調整するためのツールでもある。

調子の悪い時に映画の内容が入ってこないことがある。そういう時は何が観賞の邪魔をしているか考える。

調子が悪い時でもスラスラと内容が入ってくる映画もある。なぜそうなのか考える。


精神的な調律。チューニングみたいなものかな。

調律する際大事なのは、その世界観だけに浸れる暗闇や環境かな


🏙システムによって完全に管理された社会。

仕事の適正も、結婚する相手の適正もシステムが推奨してくれる。人生の大半がシステムによって導かれ、決定される。

さらに人の心の色、色相。その色を数値化した犯罪係数の計測。
基準値を超えた場合、”潜在犯”として未然に捕らえるか罰する事で犯罪の未然阻止が可能になり、安定した社会生活と強固な治安維持の確立に成功する

一見完璧な社会だが、それは最大多数の最大幸福であり、全人口の幸福ではない。完全な社会とは完全な社会を諦めることによって実現する。
潜在犯と判定されてしまった人の人生は隔離施設行きか限定された社会活動のみが許される選民思想的な社会。

芸術作品に至っても全てがシステムに推奨された作品のみに触れることができる。色相に影響を与えそうな刺激的なものは排除され、色相の安定した人間はストレスフリーの生活を享受することができる。
そして自らの色相の濁りを恐れ、差別意識までも根付く社会でもある。

選ばれた者にとってはある意味、完璧に殺菌された社会。

そんな状況ですら起こる犯罪と戦う主人公達。

町中の色相スキャナーによって随時監視され続ける社会においては邪まな思考はすぐに処罰の対象となり、刑事が出動する。そんな完全監視の状況にも関わらず、発生する猟奇殺人の数々…
犯罪欲求のある者に手段を与え、音楽を奏でるように犯罪を指揮する謎の人物の存在。
そこにはこの社会を揺るがすある秘密があった…

なぜ、この社会に犯罪という形で挑むのか。あるいは、善悪と法の境界とはどこにあるのか。主人公達刑事課のメンバーと、犯罪の先に何かを見出す狂王子との戦いの物語。

というのがアニメでの話。人間の在り方について何やら哲学的な問いを投げかけてくるような作品ではあるが、そこは置いといて単純に近未来SF刑事ものとしてめちゃくちゃ面白いから大好き

この劇場版はそのシステムの海外試用運転の最中で起こるある陰謀との戦いが描かれる。



感想:僕はねレビューは自らの意志に基づいて書かれたもののみが価値を持つと思っている。

だから、様々なユーザーに秘めたる意志を問いただしその内容を観察してきた。

僕は人の魂の輝きが見たい。それが本当に尊いものだと確かめたい。

だが己の意志を問うこともせず、ただ映画の信託のままに観賞する人間達に価値はあるんだろうか。

常守 茜監視官「いい気にならないで!!あなたはただのミーハーよ!!」

ぐぬぅ😖🤪!!