監督相対評価★2.5

壁への突入と巻き戻し、定まった中心から首振りというお決まりの動きを見せるカメラワーク。真っ白に荒廃した建物という名のミイラ。これはただアーティスティックなだけな気も。

自分もどこかに吸い込まれて消えて無くなりたい感覚はある。
これも気が狂う。

THUNDERやGRIMなどで知られる日本を代表する実験映画界の名匠伊藤高志の作品。

伊藤高志の出世作でもあるSPACYを彷彿とさせるような作品でした。まあもちろん今作はあの映画ほどトリップしているわけではありませんが、それでもジェットコースター感はあったと思います。そして唯一、今作が他の伊藤高志作品と比較しても良かったのが外ロケを結構ちゃんとしていたところです。どうしても彼の作風的に、室内か、もしくは限られた狭い場所がロケーションになりがちなんだけど、その点今作は珍しく外で撮れているなという印象を受けました。ただもっと時間と予算をかければ良いものも作れる気がしますが、それはそれで大変だし難しく出来ないのかもしれません。