しめじろー

百円の恋のしめじろーのネタバレレビュー・内容・結末

百円の恋(2014年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

恋…というか人生というか。タイトルから抱いていたイメージとはだいぶ違う映画でした。
憎まなきゃ人なんて殴れない。底辺の人間が底辺の人間に食い物にされる底辺の世界。中年ボクサーか、バイト先のおっさんか、はたまた社会か、もしくは自分か。溜まりに溜まった憎しみを、鬱憤をエネルギーにして一子はボクシングにのめり込みます。やっぱり安藤サクラすごい。序盤の自堕落引きこもり32歳女性を体現したような肉体、内弁慶っぷり、死んだ目。終盤のシャープな肉体、世の中すべて睨みつけるような目。現状を変えようとがむしゃらにもがく姿は胸が熱くなります。
悔しいのは本気だったから。負けたのは戦ったから。勝ちたかったと泣きじゃくる一子はもう底辺じゃない美しさがありました。やっぱり人間は頑張ってなんぼですなあ。