阿飛

レヴェナント:蘇えりし者の阿飛のレビュー・感想・評価

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)
3.8
ディカプリオが悲願のアカデミー賞主演男優賞を受賞した作品として有名。
監督のイニャリトゥが「バードマン」に続いて2年連続で監督賞を受賞した作品でもあるのでそちらで覚えている方もいるかもしれません。
または作曲が坂本龍一だということで。

この映画の精神的な側面はいわゆる神の遍在性で「自分の意思の及ばない存在はいつでもどこでも存在する」「そして自らの力ではどうしようもならないことがある」「そんな中で生きている」というのがメッセージだと感じたのですが、本国でのレビューを読んでいると批評家筋には結構酷評されているようで、特にそのストーリーの精神的な側面の弱さ、映像美がただの映像美に終わってしまっているところを突かれているようです。
峻烈な自然の風景を見るだけでそこに神(というよりは自分の意思の通じざるなにか)を感じるアミニズム的文化の人間としてはあの映像美でも十分映像以上の何かを感じとる事ができたので批評のような感想はあまり抱きませんでしたが、批評で引き合いに出されていたのがテレンス・マリックなどだったので、そこに批評家筋の足りないと感じているポイントのヒントがあるのかもしれません。
撮影監督のルベツキはイニャリトゥ作品もテレンス・マリック作品も両方担当しているのでなおさら監督による違いがわかりやすいのではないでしょうか。
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