阿飛

セールスマンの阿飛のレビュー・感想・評価

セールスマン(2016年製作の映画)
4.5
似たようなハラハラ感を感じたのは「パラサイト」でしたが、個人的にはこちらの方が好きです。
どちらに転んでもおかしくない話の見せ方がうまい。ずっと着地点が定まらないので観ている側は引き込まれっぱなしになります。

「セールスマンの死」の劇中劇があることによって構造が立体的になり、演じていない時の2人によりリアリティが生まれ映画が核心へと迫っていく過程への緊張感が高まります。
この映画であまり描かれないのは女性の感情です。あえて描かれていないのかなとも感じています。
「セールスマンの死」では感情的に夫への思いを述べる女性が描かれますが、それを演じていた妻は途中で詰まってしまいます。相手を許すという感情も、なぜそうなるのか。相手の男性ではなくその妻のことを思ってしまったのではないかなど考えることが多い映画でした。
阿飛

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