阿飛

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実の阿飛のレビュー・感想・評価

4.0
久しぶりの映画館での鑑賞でした。まずはそれを記録。
隔席になっているのね。

レビューは行動か。認識か。と悩みながら投稿。

対話の場が思ったほど荒れていないということに驚くが、観ていると理由がわかってくる。両者はお互いを尊敬している。
立場と思想は違えど、行動しているものとしての敬意がある。それが前提にあるから曲りなりにも対話は進んでいく。
言い負かしてやろうとか論破してやろうという気概はそこにはない。学生側にも(少なくとも登壇している人物には)それはないと感じた。お互いの知の発散と次なる行動に向けての探り合い。

あの煙まみれの時代に憧れてしまうのは、日本社会に内的なエンジンとも言える装置があった最後の時代だった気がするから。
それぞれが目指す理想への内的な格闘があって、それが社会を前進させる一つの力になっていた。最近も騒がしいがアメリカはその内的格闘が度々現れて、その度に少しずつ前進している例だと思っている。
内的な格闘、しかもそれが非合法の暴力を伴うものであったとしても、それがあった方が社会は良いのか、それはわからない。でも僕は動的な社会を好むし、現状が最善であるという態度は取れない。
日本は、少なくとも政治的にはそういう運動は無いように感じる。
ただし、よりよい理想に向けて行動している者、トライしている者という意味だと若手の起業家などにも芽を見つけることはできるのではないか。
自分は行動をしていないなと反省したが、その前にまず課題と理想を見つける必要がある。

学生運動があったころの雰囲気が好きなら観ておいて損はないと思う。
阿飛

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