たけちゃん

Mr.ホームズ 名探偵最後の事件のたけちゃんのレビュー・感想・評価

3.5
私は想像力は用いない。事実が大事だ!


ビル・コンドン監督 2016年製作
主演イアン・マッケラン


勝手にお知らせシリーズ「今日は何の日」
本日、10月7日は「ミステリー記念日」です(๑•̀ •́)و✧

「ミステリー記念日」は、1849年10月7日にミステリー小説の先駆者エドガー・アラン・ポーが亡くなったことに由来します。



エドガー・アラン・ポーって知ってます?
アメリカの作家で、ミステリー小説の生みの親と言われる人です。子供の頃、初めて「黒猫」読んだ時は、本当に怖かったなぁ……。眠れなくなったよね( ˘ ˘ )ウンウン


「怪人二十面相」などで有名な江戸川乱歩のペンネームは、この人の名前から取ってるんですよ~。

で、みなさんも大好き「江戸川コナン」くんは、その江戸川乱歩とシャーロック・ホームズの生みの親、コナン・ドイルから取ってますよね( ˘ ˘ )ウンウン

ミステリー、みんなつながってる(笑)



【閑話休題】
音楽の話になるけど、イギリスに「アラン・パーソンズ・プロジェクト(以下、APP)」って言う音楽ユニットがあって、そのデビュー作が「怪奇と幻想の世界」というエドガー・アラン・ポーをテーマとした作品でした。もう、1発で好きになって、APPの大ファンになりましたね。この後も「アイ・ロボット」というアイザック・アシモフをモチーフにした作品を発表したり、「ピラミッド」や「アントニオ・ガウディ」がモチーフの作品を出したりと、たまらないグループでしたよ。音楽的にも素晴らしいので、興味があれば聴いてみてくださいな(^-^)




映画のレビューに戻ります(。・ω・。)ゞビシッ!!


本当はエドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人」とかをレビューしたいんだけど、作品が手元にありません(T_T)

なので、今日は、そのエドガー・アラン・ポーに影響を受け、推理小説ジャンルを完成させたコナン・ドイル作「シャーロック・ホームズ」の映画をレビューします
\(๑´ω`๑)/




ロバート・ダウニーJrの「シャーロック・ホームズ」は、既にレビュー済みですし、ベネディクト・カンバーバッチの「SHERLOCK」はドラマ版未見なので、今回はパス。そこで、ちょっと地味ですが、イアン・マッケラン主演の異色作「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」を取り上げます!


原作はミッチ・カリン。
コナン・ドイルじゃないんか~い(笑)

監督はビル・コンドン。
次作があの実写版「美女と野獣」です!
ビル・コンドンって「シカゴ」や「ドリームガールズ」のような音楽ものが得意なのかと思っていたけど、こんな渋い作品も撮れるんですね~。ちょっと意外( ¯−¯ )フッ


ホームズ役のイアン・マッケランは、「X-MEN」シリーズでのマグニートー役と、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのガンダルフ役で、僕のもっとも好きな俳優の1人になりました(^-^)

今作では、自分よりもさらに年寄りの役を見事に演じていました!





ホームズの住居と言えば、ベイカー街221B
しかし、そこはワトソンの書いた偽の住所(笑)で、観光地化し、そこには住んでいません。

今は田舎で養蜂をしながら、静かに隠遁する身
これはドイルのオリジナルに忠実です
ちょっと養蜂には詳しいホームズ
🐝🐝🐝🐝🐝🐝

また、このハチは、実は映画の重要なキャストでもあるので、お見逃し無く( ˇᴗˇ)



ホームズは既に93歳、痴呆が進んでいる。
探偵を引退して35年になるのです。
その探偵を辞めることになった最後の事件。
ワトソンの発表した小説は間違っている。
それを解く(思い出す)ストーリーです。


現在のホームズ、30年前の事件、梅崎とのエピソードとが入り交じる重層的な構成になっているので、少し分かりにくい。


記憶の維持に有効とされた「山椒」を手に入れるため日本に。でもなぁ、原爆投下後の広島で手に入れるとは……

この日本で、真田広之演じる梅崎に出会います。このサブストーリーは分かりにくいけど、ホームズにとって事件解決の重要な契機となります。また、この中で、有名な鹿撃ち帽やパイプなどはワトソンの創作だと説明している所がいいよね。


真田広之が演じる梅崎の父親にホームズが送った本は「緋色の研究」です。これはコナン・ドイルが書いたシャーロック・ホームズの長編第1作。これにはワトソンとの出会いや、もちろん事件の謎解きなどが書かれており、ホームズシリーズの見事な導入作なんです。そして、推理の何たるかが分かる、ミステリー小説への見事な導入でもありますよね。ホームズを読むのであれば、オススメです。

梅崎もこれでホームズを学んだ節があるのは、笑っちゃうけど。



映画全体が、失ったホームズの記憶を辿り、最後の事件の謎解きをしながら、現在の自分が失ったものに気づく構成になってます。そこでようやく、自分が理解出来なかった最後の事件の真相を理解するのです。

ただ、淡々としているので、ロバート・ダウニーJr主演作のような娯楽的な作品を求めるとダメですね( ¯−¯ )フッ



死をファクト(事実)としてしか考えず、ずっと孤独を抱えて生きていたホームズが、最後に自分の周りにいた掛け替えのない人々に気づき、孤独を克服していく静かなラストが心に染みます( ˘ ˘ )ウンウン


娯楽性の高いシャーロック・ホームズを期待するとダメですが、こんな晩年、然もありなんという佳作でした。日本的な死生観が描かれているので、あの石のシーンは日本人の僕らなら何となく分かりますよね。僕には死んだジェダイと会話するかのようでした( ¯−¯ )フッ



ただ、ミステリー要素は薄かったかな(笑)
シャーロック・ホームズを知りたければ、やはりドラマ版をオススメします。

僕のオススメはジェレミー・ブレット版ですが、今ならみなさん、やっぱりベネディクト・カンバーバッチの「SHERLOCK」ですよね( ¯−¯ )フッ