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沈黙ーサイレンスーのスペクターのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
4.0
『沈黙-サイレンス-』 17.1.21 公開初日観てきました。

“重い” の一言である。
強いて単語で補足すると “暗い” “残酷” である。

遠藤周作の同名原作を、少年時代にカトリックの司教を目指していたというマーティン・スコセッシ監督が手掛けた歴史ドラマ宗教映画。

「それ日本は、元これ神国なり」 として、1613年全国的にキリスト教禁止を発令する。
江戸時代初期のことである。
1637年に勃発した天草四郎らによる島原の乱により、
いよいよ、鎖国令、宗門改め、踏絵、懸賞金が強化され
所謂、隠れキリシタン弾圧が佳境となる。

本作品は、そういった日本が辿る時代背景にフォーカスした宗教ドラマである。

弾圧の中、幾多の重圧・拷問・試練に耐え抜いて、
生きる道を見出したポルトガルのフェレイラ神父 (リーアム・ニーソン)。
神父の消息を求め、ポルトガルから隠れて日本に来た二人の弟子、
ロドリゴ神父 (アンドリュー・ガーフィールド) と ガルペ神父 (アダム・ドライヴァー)、
この二人もフェレイラ神父と同じ目に合うことになる。

フェレイラ神父が選んだ生きる道、すなわち、信徒たちを拷問から解放するためにとった道は、
自らが “転ぶ” ことであったのだ。

日本人キャストは多く選ばれているが、それぞれの大変な役柄をよく演じ切られたと思う。
しかも、英語セリフで。 感心します。
当時の、いわゆる隠れキリシタンの人達の悲惨な境遇が、
日本が辿る運命的とも言える歴史経過が垣間見られる作品である。
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