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ゴッド・ヘルプ・ザ・ガールのTEPPEIのレビュー・感想・評価

3.3
本作は珍しく音楽から知った映画。音楽に惹かれ、すごい画も好みで少しオシャレで可愛げのあるエミリー・ブラウニングが主演のミュージカル作品。監督は音楽業界出身のスチュアート・マードックが手掛けているぶん、すごくオシャレでポップのある映像が続いて変にミュージックビデオっぽくないのが本作のいいところである。
内容のわりに結構ドロドロした展開が続いていくのとは裏腹に、音楽が盛り上げてくれる。しかも登場人物すべてがまだ大人になりきれない若者たちの奮闘である。もう少し脚本がユーモアあれば数倍も出来が良かっただろうが、ドラマにやや穴があった印象。音楽と物語の融合はとても出来ている反面、それに登場人物が追いついていないイメージ。特にエミリー・ブラウニング演じるイヴは克服というテーマがあるにも関わらず、中々パッとしない。1番期待していた主演女優よりも、オリー・アレクサンダーとハンナ・マリーが持って行ってくれた感じ。すご〜く雰囲気だけ楽しんでと言わんばかりに面白おかしい映像は続くが、観客に魅せる音楽に映画自体が置いてかれている。結局、ミュージカルもドラマもそこそこという半端さだけが残る。
総評として細部までのこだわりを感じる一本なだけに、「ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール」から湧き出る若々しさを表現し切れていない、または面白みにやや欠けている。
色んなキャラクターを出しつつ、出オチが続いていく…そんな映画だったかもしれない。悪くはないが、ミュージカル映画はこんなもんじゃないと感じる一本でもあるし、もっとミュージカル映画としての新たな試みも見たかった。これが鬱映画というならば、「ドラゴンボール エボリューション」は道端に倒れてもおかしくない出来だろう。ちなみに本作は友人と鑑賞していたのだが、エミリー・ブラウニングを見て
「なんかねぇ、この子カエルに見えるんだよねえ」と言っていた。
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