BaMbI

わたしに会うまでの1600キロのBaMbIのレビュー・感想・評価

4.7
あるきっかけにより人生が変わり、トレイルとの出会いで見えたもの。1600kmという長い旅路を歩き続けて見つけた答えとは何なのか・・・。

実話を元にしたヒューマン・ドラマに女優Rウィザースプーンが挑む渾身の作品。

とにかく最後まで目の離せない、見応えあるヒューマンドラマです。

主人公の葛藤や人物描写、他の登場人物の物語の立ち位置もしっかりしていて、尚且つロードムービー映画の醍醐味もキレイにまとめている。

自然の中で展開される過酷な状況下を体当たりで演じ、リアリティのある描写がしっかり生み出されている。けれど唐突に靴を投げるオープニングからのストーリー展開がとても作り込まれていて良かった。

歩きながらでてくるシェリルの過去の回想はパズルのピースのように断片的で、その欠片1つ1つが印象深い。そしてそのピースが揃った時、のちの後半からの展開にすっかり見入っていました。

内容が暗いのは確かであるが、前半の静かな雰囲気から徐々にBGMを増やしていくのもいい効果を与えていて、最後まで物語に飽きが来ない作りになっている。

そして近年は”Gone Girl”などでプロデューサーとしても活躍を広げるRウィザースプーンの意気込みがひしひしと伝わります。

本作でもプロデューサーとして参加していることもあり、コメディ作品で見る彼女とは思えないいつも以上に大胆でシリアスな演技を披露している。のちにオスカーにノミネートされたことが、女優として、製作者としての彼女の実力を証明したように思える。

物語の要となるシェリルの母を演じたLダーンは出しゃばらずに主役を引き立て、それでいてしっかりと魅せる安定感のある演技が良かった。様々な作品でインパクトを残す彼女の演技にも注目したいところ。

広大な自然をバックに展開する1人の主人公の壮絶な物語。

ヒューマンドラマはもちろん、ロードムービーとしても上位にオススメしたい作品。

そしてRウィザースプーンの映画人としての才能を観るだけでなく、今後の彼女の女優人生にさらなる期待を抱かせる作品です。
BaMbI

BaMbI