偽名祐司

ゴジラ キング・オブ・モンスターズの偽名祐司のレビュー・感想・評価

3.8
ハリウッド版「ガッジーラ」じゃない「ゴジラ」。
しかも中身はシンプルに「怪獣大決戦」。
東映では果たせなかったハリウッドクラスのスケールで描かれる「怪獣大決戦」。控えめに言って素晴らしい。
一応忘れ去られてそうですが数年前のハリウッド版「ゴジラ」の続編になってます。
え、トカゲ版ゴジラ?君は一体何を言っているのかね?ちょっと良く解りません。

話はアプリ参照で。怪獣の存在を知った世界。怪獣の固有音波を利用したコミュニケート装置というか管理装置を夫であるマーク博士に引き続き開発を続けたエマ博士。父と会いたい娘マディソンを放置してついに開発を完成させた所に環境テロリストが襲ってくる。

一方世界に眠る怪獣達17体を研究する組織モナークと芹沢博士はテロリストの強襲を受けてマークの元へ訪れた。
管理装置によって次々に眠りから目覚める怪獣達。
その中にはモンスター0と呼ばれる最悪のモンスターが含まれていた。世界が崩壊に向かう中人々が目にする光景は一体。


なんというかもう東映原典のモンスター達がスクリーンいっぱいに動き回るの観てるだけで素晴らしく楽しい訳で。音楽も元ネタの音楽を神がかったアレンジ加えております。

ゴジラ、モスラ、ラドン、ギドラ、○○○ジェン○○○○○ーまで東映ネタ全開です。見慣れているかは世代によるかと思いますが、それにしても迫力をもった映像です。ギドラの三つ首のそれぞれ性格出るシーンとか非常に演出が凝っていて素晴らしいですねえ。ゴジラの動きも重く感じさせながら動くときは動くというメリハリのついた感じです。

そして本当なんで主役メンバー達死なないのかが不思議でならないレベルで怪獣の足元居すぎです。だからこそ迫力のある映像が撮れてるとは思うのですが。

ちょっとゴジラの人間の味方っぷりが万能すぎる気がしますが。何故その視線を合わせるだけで意思疎通とれた感じになれるの?マーク博士?最後の騎士王じゃないよね?とか思ったら負けです。


一方人間側なんですが、こちらはもう本当グダグダな上にろくな奴が居ないという控えめに言わなくても「これは酷い」有様。
数年前の経験を経ても軍で怪獣に勝てると信じてやまない政府側。エゴ満載のテロリスト、別ベクトルでエゴ満載なエマ博士、都合の良い時だけゴジラには味方して欲しいマーク博士。ゴジラ以外はどうでも良い感じの芹沢。まともなのはチェン博士とマディソン位か。

怪獣達のシンプルさや神々しさに対比して人間たちの不純で欲にまみれた愚かさを描く、という目的なのかもしれませんが。

正直人間サイドのイザコザとうでも良いからもっと怪獣出してぶつかって?と思う位です。

後触れずにいられないのは渡辺謙演じる芹沢博士。ひたすら頑なにゴジラだけは日本語発音なのが良いような笑えるような。芹沢博士のキャラの集束としては中々良かったと思います。


一応エクステンデッドユニバースって事で今度はキングコングと絡む事は決定してるのですが。

ぶっちゃけ東映側の怪獣の豊かさに比べてハリウッド側ってコング一体だけなんですよね?…ラインナップ弱すぎません?と思わないでもない。
コングさんどう頑張っても勝てる気しないんですがどうでしょう。

大きなスクリーンで観ると楽しい系王道怪獣映画に仕上がっております。怪獣サイドは4.5点、人間サイドで-1って事でこんな所に落ち着きました。深く何も考えずに気楽にどうぞ。
偽名祐司

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