サラリーマン岡崎

オデッセイのサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

オデッセイ(2015年製作の映画)
5.0
この感じ覚えてる。
鳥肌が立って、体の奥底から涙がでてくる感じだ。
「グラン・トリノ」とか「インビクタス」とかイーストウッドの作品に良く味わうヤツだ。

火星に取り残された人を救出する話なんて面白いの?2時間も話持つの?
と疑ってかかっていた。
確かに、この物語は火星に取り残された人を救うだけの話である。
でも、なんで、鳥肌が立って、体の奥底から涙がでるのか。

彼を救出するのにはふたつの力が作用した。

ひとつは「知識」である。
主人公であるマークは生き延びるために自分の排出物で畑をつくったり、水素と酸素で水を作ったりとあれこれ工夫を重ねる。
地球では如何に短期間で彼を救うかということを国境をまたいで各専門家が考えていた。
イノベーションとあるが、それは知識を持つ人間だからこそ起きるものである。
知識を駆使して、何かを作り、社会に変革をもたらす。
この人間だからこそできる営みの集結をスクリーンを目の前にして見せられたら、人間万歳!って思ってしまうじゃないか。
ざまぁみろ、火星!俺らは力強いんだぞ!って。

もうひとつは「絆」である。
彼を救うために国境を越えてまでも様々な人が力を集結する。
そして、彼の無事を全世界の人々が見守っている。
彼と連絡が取れた時の喜び、クルーのマーク救出作戦の一丸となる様、街頭のモニターで彼の無事を見守る人々、そのどれもが人間と人間の絆を感じる。

ふたつで言えることは、
要は「人間っていいもんだな!」ってこと。
知識を駆使して、生き延び、ここまで成長を遂げた私たち。
一丸となって何かに向かっていく私たち。
それは、人間だからこそできること。
だから、その人間の本当の姿をみて、鳥肌が立ち、体の奥底から涙がでてくる。
観客も一丸となれる。

多分、オリンピックのときも、初めてロケットが飛んだ時も、皆がこういう気持ちを抱いたんだと思う。
絶対見るべき。