よく笑う映画だな、と思った。偏見丸出しで記すなら、アメリカ式のガハハと笑う笑いではなく、イギリスの上品な（悪く言えばスノッブな）笑いがふんだんに散りばめられている、というのか……基本的には闘病生活と女の友情を描いたコメディにしてヒューマンドラマであり、語られる内容は重い。だが、それをシリアスすぎる語り口で料理したのではなく、ところどころこちらもクスリとさせるような味わいを含めつつ料理したところに「オトナ」を感じた。だからこそこの映画を観ると前向きな気持ちになれる。そう、いずれ私は死ぬ。誰だって最終的にはどんなことを成し遂げても死ぬはずだ。しかし、友達が居て家族が居て、彼らの微笑みがあり私自身も微笑んでしまうかもしれない。その「ほっこり」の感触が生きてることの醍醐味である、とこの映画は伝えているかのようだ。波瀾万丈に富んだとはいかず一本調子なところが気にならなくもないが、しかし独特のユーモアセンスを買いたいと思う。
