迂闊なことに「セッション」って邦題だったことを最近まで知らなかった。確かによく考えると「セッション」してるようなしてないような内容だ。そこが作品の肝でもあるので邦題を考えた配給の担当の方は中々凄いセンスだ。
ドラムってとにかく早く叩くのが正しいことなのかどうかは自分はよく知らないが、演者だけでなく聞き手の体内にも狂気をもたらす楽器だということを嫌というほど思い知らされる。これがピアノやトランペットや他の楽器だったらまた違った映画になったと思う。それはそれで観てみたいが。
教師と生徒の関係は最後はなんとでも解釈できるようになっていて、そこも面白いが、結局、アーティストってそれぞれがエゴの塊で、死ぬまで心からわかりあえることなど無いのだろう。ただ、一瞬でも時間を共有した時、何か奇跡がおきることもある。その瞬間のために「セッション」がある。
だからやっぱりこの邦題は見事だ。