効果的にお酒を飲んだら仕事の成果があがる。それを実践してみた大人たちのお話。コメディかと思いきや、意外や意外、飲酒という行為を通してそれぞれの人生模様が浮かび上がってくるという、ヒューマンドラマだった。
飲酒を、善悪、どちらの立場からでもなく、人間の行動変容にとってのひとつのきっかけと捉え、そこから展開する悲喜劇を、やや乾いた空気の中、でも不思議な温かみのあるアプローチで描く。
単に「飲み過ぎはダメ」ということだけではなく、歯止めが利かない人間の弱さ、生きることの難しさ、その一方で、「でも生きていてこそ」という前向きなメッセージもしっかり伝わってきた。
最後がハッピーエンドどうか、それは観る人次第。答えは観客が勝手にだしてくれたらいいということだろう。でも、明日、終わるかもしれない一度の切りの人生、どうせなら謳歌しようよ、という願いが込められていたように思う。
ひとつ確実にわかるのは、きっと、人間はいつの時代もどんなときも変わらず、飲める人は飲み続けるんだろうな、ということだった。