フジツカ座

花とアリス殺人事件のフジツカ座のレビュー・感想・評価

花とアリス殺人事件(2015年製作の映画)
4.4
花とアリスのエピソードゼロ、前日譚。

アニメーションにはぜんぜん詳しくないのだけど、この作品はロトスコープっていう、実写をトレースしてアニメーション化する手法で制作してるらしい。キアヌリーブスのスキャナーダークリーと同じ。
→(冒頭のアリスが2階から落ちるシーンが、すごくフワッとしててヌメッとしてて滑らかで、酔拳みたいな動きのアニメーションだななんて思ったりした。

撮影方法による関係なのか、セリフの録音はプレスコってゆう、セリフを先に録ってそこへアニメーションを当てて作る手法らしく、このセリフに関しては若干の違和感やぎこちなさを感じた。セリフが浮き出てるみたいな感覚。
けどこれは同じ出演者でもシーンによってピッタリハマってるなって思えるシーンもあったため、いちがいにプレスコがどうのこうのとまでは言えないです。

あ、あと、前作同様平泉成がアリスの父親役。それに今回はもう一人分、割としっかり目の役柄を兼任してるんです。これはなんでだったんだろーって不思議に思いました。きっと何か意図するところがあるのだろうけれど考察浅はかなぼくには解らずでした。
あと時系列で見ていくと、今作が中学時代のお話で、前作がその1年とか2年後くらいの高校のお話なので、どう贔屓目に見てもアリスの目の前にいるアニメの父親は若すぎるんだよな〜。だって、前作の実写はまんま平泉成なんだもん笑

謎。

誰か観たら教えてくださーい

(`∀´)/

【余談】
(ツタヤの検索機では「邦画ドラマその他」にあるって表示されるんだけどそもそも邦画ドラマのその他ってどこやっちゅう話で、結局店員さんに探してもらって、持ってきてくれたときになんかゴニョゴニョ言ってた気がしたけど、いかんせん耳がおじいちゃんなので聞き取れませんでした涙)

たぶんアニメのほうに置いてあったんかな。

気になって見てみようかなって思ってくださった方がいましたらばご参考になさってください。

(๑´ㅂ`๑)



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内容に関して

越してきた家の一室でアリスがバレエを踊るシーンから始まるんだけど、前作を愛でるファンからしたら、かなりグッとくる胸アツなシーンで、前日譚とはいえ岩井俊二が監督である以上はそのセルフオマージュ的映像や音楽を期待するばかりだったから、それを初っ端から魅せてくれたのには、ううーっと唸らずにはいられなかった。
直接的ではないのだけどそのほかにも前作を懐古するような光景がチラホラとあったりしてよかったです。

そもそもこの作品がエピソードゼロであることを知らずに観たのもあって、ラストの着地点は心がエキサイトしたし、やっぱ荒井花(花)と有栖川徹子(アリス)の掛け合いは見ててニヤニヤしてしまう楽しさがあったし、ぼうっとずっと眺めてられるなーーって思ったりなんかもしました。続編はないんだろなと思いつつもコッソリ期待してます。


エンディングは岩井俊二の音楽ユニット、ヘクとパスカルの「fish in the pool」です。この曲がまたワルツみたいに伸びやかで軽やかで素敵です。

あと今作でも「ウヲアイニ」聴けるよ。何度聴いてもあたたかくてキュンとなるメロディ。涙の水源から涌き出る息吹のメロディ。

iTunesで試聴も出来るので、耳から入る映画も乙で素敵です。
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