きょう

ヴィンセントが教えてくれたことのきょうのレビュー・感想・評価

4.5
素行も良くなく、人と交わることを嫌い、自身も人から嫌われ、本当にひとクセもふたクセもある気難しい老男性ヴィンセント。ヴィンセントの家の隣にオリバー親子が引っ越してきます。
ヴィンセントと親子の出会いは最悪でしたが、オリバーの母が夜遅くまで仕事をしなければならないため、ヴィンセントがオリバーの世話をすることになります。最初はお互いに嫌々感たっぷりでしたが、転校してきたばかりでいじめに遭っていたオリバーを助けたり、いじめっ子に負けないように喧嘩の仕方を教えこんだり、人としては真っ直ぐなことを教えていたヴィンセント。
オリバーも段々とヴィンセントの真の姿を知るようになり、二人の間には真の親子を超えた絆が生まれ…オリバーもいじめっ子とも良い友達関係を築くことができ、二人の周囲の人々も互いに心が通じ合うようになり…ただ、物事はそうはうまくいかないもので、いろいろな困難が二人にのしかかってきて…
終盤の方に学校のイベントで自分にとっての「聖人」を発表するシーンがあるのですが、オリバーの「聖人」の発表に本当に涙が出て止まらなかったです。それを聞いたヴィンセントは心底嬉しかったと思います。その発表をヴィンセントに聞かせるためにナオミワッツ演じる買春相手ダカが嘘をついてまでも彼をその場に連れて行ったことが印象的でした✨
人それぞれで自分にとっての「聖人」というものは違うと思いますが、オリバーにとってはヴィンセントという人は心から向き合えた人間だったのだと思います。ヴィンセントは表面はガサツですが、決して飾ることなく、正直にありのままに生きていて、人として一番大切なことをオリバーに教え、それがオリバーの心に響いたから。


最後まで夢中で観ていました。ビルマーレイの偏屈不良ジイさんぶりは最高の演技でしたし、オリバー役のジェイデンリーバハー君は可愛かったし、ナオミワッツのぶっ飛んだ売春婦ダカ役も良かったです。心温まるラストにホッとしました。
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