マヒロ

ルイの9番目の人生のマヒロのレビュー・感想・評価

ルイの9番目の人生(2015年製作の映画)
3.0
9歳の誕生日までに、毎年様々な要因で8回も死にかける経験をする超不幸体質の少年ルイが、その誕生日に人生で一番悲惨な事故に巻き込まれ…というお話。

そのあらすじや、酷い目にあっているのに妙に達観したルイの態度とかから、シュールなブラックコメディ的な映画かと思っていたら、その全容が明らかになっていくにつれ、どんどんコメディでは済まされないような生々しい事実が見えてくるという奇妙な映画であった。辛い現実の合間に幻想的なシーンが挟まれるという『パンズ・ラビリンス』によく似た作りになってはいるんだけど、妄想部分の気合の入りようが半端なかったあちらに比べるとそこら辺は控えめな印象。『ピラニア』とか『ヒルズ・ハブ・アイズ』のアレクサンドル・アジャ監督なんだから、もっと悪夢的な血みどろ描写も出来たはずだが…まぁそういう映画じゃないってことなんだろう。

ミステリやオカルトにホラーと、物語の転換ごとに映画のジャンルが次々と変わっていくので、着地点はなかなか読めない。ただ、謎解き映画的な面白さを期待していると、ラストの希望的な描写と、それとは正反対の嫌な予感を残す描写の入り乱れる様にモヤモヤが残りそうではある。
とりあえず、個人的には子供は大人が思ってる以上に物事をよく考えているし、男は分かっていてもダメな方向に足を突っ込んでしまうアホな生き物なんだなということが分かるラストだった。

(2018.10)[2]
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