Cozy

トイ・ストーリー4のCozyのレビュー・感想・評価

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)
2.2
個人的に物議を醸しているラストシーンについては、愛の前に従うウッディの気持ちは理解できる。

しかし、自分がこの評価をつけるのは、
今作は描きたいことが強過ぎて、
その他の部分では甘さを多々感じさせられるため、前作までに象徴される広がりと奥行きを微塵も感じなさせないことに尽きる。
申し訳ないが本作にタイトルをつけるなら、
ウッディストーリー
ボーとの愛の物語である。
スピンオフであればまだ許容できるが、これに4と名付けた事により、低評価を付けざるを得ない。

恋愛ドラマにありがちな主人公とヒロインに焦点を当てすぎたため、本作の脚本は脇を固めていたはずの既存キャラに全く興味を感じられない。皆が愛するエイリアンは出てこないし、レックスもハムもポテトヘッドももはや車の中で待ち続けるだけの存在。ガヤ芸人である。
当然ボニーの幼稚園に対する不安や、フォーキーのゴミからおもちゃになる過程もとても魅力的な題材だと感じるのにスルーし、あくまで書きたいラブストーリーに傾倒していく。
決定的なのはバズがウッディを追いかけて1人で飛び出していくシーン。
脚本はバズにも興味がないのか、内なる声に従うという設定で盟友バズの感情を描くことを放棄する。そして物語をラストへ導くために必要な新キャラクターを都合の良いように配置させ、2人の愛の完成をサポートさせる。これこそ、監督の内なる声が聞こえてくるようだ。

そして、ウッディが愛する彼女と旅立つという形で物語は終了する。
次作はないぞといわんばかりに。

トイストーリーは
ラブストーリーとして完結した。
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