冷静にレビューするのが難しい作品だなぁ。アクション映画としてもなかなか面白かったんだけど、やっぱりどうしてもポール・ウォーカーの死がちらつく。シリーズの最重要人物を失いながら、最も理想的な形で映画を締めているという点では、素晴らしい映画だと思う。
ただ、やっぱりストーリーはひっちゃかめっちゃか。今更気にすることでもないかもしれないけど、あらゆるデータに潜り込み全てを探知するプログラム"神の目"を使って敵（ステイサム）を探し出す、というのが目的なのに、神の目を使用可能にするミッションの最中にもステイサムが向こうから勝手に現れて大暴れしていくので、そもそも神の目の必要性が薄く感じられてしまう。最終決戦では「地の利を生かして戦う」と言いながら、大して生かすこともなく戦うし。
まぁそんなツッコミどころも、超絶アクション描写のおかげで正直気にならないレベルなんだけども。ちょっとカメラグリグリ動かしすぎな感じもするけど、カーチェイスでは敵も味方も周りのものを次々とぶち壊し、車から降りても凄まじい殴り合い掴み合いでやっぱり周りのものをぶち壊しまくる、リアリズムなんて糞食らえと言わんばかりのハチャメチャっぷりは超爽快。ワン監督は『狼の死刑宣告』でもハゲのケビン・ベーコンをカッコ良く描いてたし、基本的にハゲづかいのうまい人なんだろう。ハゲづかいってなんだ。
シリーズはまだ続いていくみたいだけど、ポール・ウォーカーがいなくなってハゲ率の上がった…もとい最重要人物が一人欠けてしまったシリーズがどうなっていくのか、気になります。
個人的にはナイスキャラだったカート・ラッセルをもっと活躍させて欲しい。
@TOHOシネマズ海老名
(2015.85)[17]
