KouheiNakamura

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅のKouheiNakamuraのレビュー・感想・評価

4.0
どこでもトランク〜。(ダミ声)


…はい、残念な始まりですみません。世界的ベストセラー、ハリー・ポッターシリーズの新章。ハリーたちの時代よりも数十年前、1926年のニューヨーク。魔法動物をトランクに詰めたホグワーツの卒業生ニュート・スキャマンダーの冒険が始まる…。原作者J.K.ローリングが自ら手がけた脚本も見所。

始めに僕とハリー・ポッターシリーズについて簡単に。一応シリーズ8作品は全て観ています。劇場で鑑賞したのは死の秘宝PART2のみ。原作は秘密の部屋まで読んでます。以下、シリーズの簡単な感想です。
賢者の石→比較的原作に忠実な第一作目。全体的に子供向けな作風で、あまり記憶にない。
秘密の部屋→長い割にぐだぐだしていて、中身がない。正直つまらなかったです。
アズカバンの囚人→最高。この作品から映像もストーリーもダークになってきて僕好み。アルフォンソ・キュアロン監督の名前はこれで覚えた。
炎のゴブレット→前作に引き続き、楽しい作品。学園モノとしての楽しさはこの作品がピークかと。
不死鳥の騎士団→学園モノの楽しさを引きずりつつ、いよいよ物語がシリアスな方向へ。ちょっぴりテンポ悪し。
謎のプリンス→寝ました。テンポ極悪。物語の核心に近づく大事な一本…なのにつまらなかったです。
死の秘宝PART1→正直、観なくても問題ない一本。基本的に森でグダグダやってるだけなので、まあ盛り上がらない。
死の秘宝PART2→シリーズの総決算。全編見せ場の連続。否が応でも盛り上がる一本。
…大体こんな感じです。原作ファンや映画シリーズが好きな方はごめんなさい。総じてそんなにハマったわけでもなく、嫌いでもない映画シリーズですね。

そして、今回のファンタスティック・ビースト。キャストや舞台を一新したこの作品がどうだったかというと…。
面白かったです。まずは魔法世界を構築する美術、音楽、キャストが素晴らしくて世界観を眺めているだけでも幸せでした。特に物語に没入させる音楽は最高ですね。
また、オスカー俳優エディ・レッドメインをはじめとしたキャスト陣のアンサンブルも最高。役者たちの演技が文字通りマジックを起こしていました。コリン・ファレルの格好良さもさることながら、やはりジェイコブ役のダン・フォグラーが全てを持っていく大活躍ぶり!全世界の太めな男性を勇気づけるイケメン振りでしたね!
個性豊かな魔法動物たちも魅力的。ニフラー可愛い。
ストーリーもハリー・ポッターシリーズ後半のダークなテイストを持ちながらもエンタメ映画として綺麗な作り。J.K.ローリングの脚本は伏線回収が上手くて引き込まれました。全体的にハリー・ポッターシリーズよりも大人なテイストに仕上がっていますね。

しかし後半の決着の付け方で改めて感じたのですが、この時代マイノリティへの弾圧はかなり激しいものですね。その辺りもハリー・ポッターシリーズとは違った味わいになっていて良いです。結末のビターさも良い。

まだシリーズ一作目なので未回収の伏線があったり物語の展開が少しスローペースだったりするのは惜しいところですが、それでも十二分に楽しめる作品でした。続編にも期待します。オススメです!
KouheiNakamura

KouheiNakamura