カテリーナ

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅のカテリーナのレビュー・感想・評価

4.2
新しいヒーロー像誕生

ハリー・ポッターシリーズの70年前が舞台の魔法動物学者のニュート・スキャマンダーがイギリスからアメリカに渡り 魔法動物の入ったトランクをノー・マジ(魔法使いから見た人間)と、取り違えて
動物たちがトランクから人間界へ逃げ出し
大事件となる 果たしてニュートは
無事に魔法動物たちを取り戻すことができるのか?
それだけでも充分楽しめるのに
更にいくつかの謎を投げ掛けて伏線を散りばめる てっきり5部作になる予定らしいので いくつかの伏線は張られたまま回収は先延ばしされるだろうとボヤボヤしてたら
想定外な展開に何度も驚き
予想の斜め横へと着地してきて
楽しめる 良い意味で期待を裏切られるのだ

エディ・レッドメインはとてもホーキング博士を演じていた俳優とは思えないほど
魔法動物学者の ニュートをキュートにイノセントに演じる
彼にこんな少年のような魅力があったとは…
少し、身体を斜めに構えて目だけを動かして弱々しく魔法の杖を振る姿は
少年のように頼りなげで 心配になる
そんなニュートへの観客の眼差しと
この映画のヒロインのティナの視線が
被る (しかし、後に杞憂に終わる)
わざわざトランクに危険な魔法動物を詰め込んで
アメリカに渡ってきた目的は?
そして、動作や行動が遅いし モタモタしていて何を考えてるのかわからないし
イライラする のだ

本人も自覚するそのイライラは
あるシーンからピタリと止む
ニュートが人が変わったように
テキパキとノーマジのジェイコブの
傷を治療をし、薬を与える
そして彼が目にしたのは
トランクの中の魔法の動物たちが
静かに穏やかにそして、自由に遊ぶ空間
だった

ニュートは目を輝かせながら
次々と不思議な動物たちを披露する
驚きながらもそれを受け入れ素直に感動するジェイコブ は見た目がエキセントリックなそれでも愛らしい動物たちに次第に心癒される

映像技術の発達によって
虚構の世界に束の間夢中になる
まるで子供に戻ったかのように
目の前の動物に一喜一憂できる
正に魔法の時間だ

伏線の回収、意外な結末、ノーマジとの友情の決着の仕方や恋の予感 ニュートの隠されたヒーロー像
ワクワクする要素てんこ盛りで
私の胸ははち切れそうになる

前半を越えた辺りで既に次回作を見る事を決めて 見終わって更に
パンパンに膨れ上がった満足感で
それを吐き出すように友人と映画談義に 花を咲かせたのは言うまでもない
カテリーナ

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