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ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅のabeeのレビュー・感想・評価

4.0
【ニュート'n 魔法動物記 巻ノ1
〜ニフラー・・・光り物に目がないため、貧乏人には飼いならせません。10万ガリオン程度の金品が用意できると理想的です。】

皆さん台風で大変ですね。
私も出張中につき、東京の狭いホテルに閉じ込められ何もできないので小ちゃなスマホの画面で映画を観る事に…
本当はせめて40インチくらいの画面は欲しいところです。

いつも後回しにしてた作品を観る絶好のチャンスかなということで今回はこの作品を鑑賞致します。

実は2回目のこの作品。
続編を観るために改めて鑑賞です。

私のレビューを読んでくださる方々はご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、私は「ハリー・ポッター」が大の苦手。
ところが「ファンタスティック・ビースト」のシリーズは結構好きなのです。

私、多分「シンデレラ」系の主人公が嫌いなのです。不幸な自分に酔っている感じと、そこから自分の努力はそこそこに大きな成功を手に入れてしまう感じに共感できないのです。

一方、本作の主人公、ニュート・スキャマンダーはとても個性的で魅力的なキャラクター設定です。
少し変人なことを自分で分かりつつ、頑固で我が道をゆくことを恐れず、英雄的な兄と比較されることにほんの少しだけ劣等感がある。

本作の主人公を演じるのはエディ・レッドメイン。彼の演じるニュートが最高なんですね。
魔法動物とコミュニケーションは取れるのに、少し口下手で人間との会話は苦手。
そんなニュートの魅力をここまで引き出せる俳優はエディ以外にいないでしょう。その真一文字に結んだ口元の可愛いさはなんだい‼︎

それに、偶然銀行で出会ったことで魔法界に関わりを持ってしまうノー・マジのジェイコブ。
彼がいることでこの作品はほんの少しの軽さが出ています。エンタメ性が前面に押し出されるのです。
舞台がニューヨークというのも、「ハリー・ポッター」シリーズには無かった新しい魔法界の一面を見せてくれて楽しいのです。
イギリスという舞台は良くも悪くも湿っぽいイメージが付きまといますからね。

魔法を使いつつも魔法動物たちの活躍で危機を乗り越えたり、魔法動物のせいでトラブルに巻き込まれたり。
トランクの中に広がる幻想的な動物たちの世界がとても美しく、「ハリー・ポッター」シリーズとはまた違った映像的な美しさもあります。

ということで、エディ・レッドメインの可愛いさに多少引っ張られている部分はあるものの、文句無しに楽しめる作品です。
映画を楽しめるかどうかはキャラクターに好感を持てるか、共感することができるか、この部分がやはり大きい。
今作はニュートをはじめ、ノー・マジのジェイコブ、アメリカ魔法省のティナ、クイニー、そして魔法界の暗黒面を彩るクリーデンスやグレイブスも、そして外せない愛らしく獰猛な魔法動物たちも、キャラクター達が特に魅力的で何一つとして文句をつけるところが無かったです。

ただ次作はどうですかね。
この作品は物語のプロローグに過ぎず、次に待つのは魔法界の暗黒面との戦い。しかもその主導者は私の最も苦手とする彼が演じていますからね。チラッと登場したその姿にもうすでに若干の拒否反応が…
食わず嫌いはダメだぞっ‼︎

最後に余談ですが、レビューのタイトルに採用した「ニュート'n 魔法動物記」。
これは「シートン動物記」を元ネタにしました。
私の弟は小さい頃からかなりの変わり者で、4歳の時に赤川次郎を読んでいました。
小学校に入学すると図書室で「シートン動物記」と「ファーブル昆虫記」を借りてきて読破するという、姉の私がゆうのもなんですがどう考えても小学生らしからぬ変な子でした。
それを思い出しタイトルにしたのですが、その際色々調べてみると、「シートン動物記」、「ファーブル昆虫記」はどちらも図鑑のような類いのものではなく小説的な書物だったようです。
弟はこれを物語として読んでいたのだということが分かって、ほんの少し安心したのでした。
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