何がすごいって、この映画はもうドキュメンタリーというよりジャーナリズムの所業だということ。
スノーデン事件で本人がインタビューに応じた映像はさんざん見たけど、その舞台裏がここまで克明に記録されていたとは知らなかったし、リークに踏み切った動機、記者たちとの信頼関係を構築するまでのせめぎ合い、監視を避けるための神経質な所作など、あのニュースに対する多層的な肉付けになっている構成が素晴らしかった。
大事件を取り扱った映画は、とかく題材の重大さと映画としての出来が混同されて評価されがち(近作だと「スポットライト」とか)だけど、この映画は題材とともに映画の存在自体も事件と言っていいレベル。
2014年に観られたら、文句なしにここ数年でベストの映画だと感じたと思う。日本公開に時間がかかり過ぎたことだけが悔やまれる。どんなに凄い事件でも鮮度は重要。
