群青

シン・ゴジラの群青のレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
5.0
2016年劇場視聴25作目。


えー、僕は現在54年版ゴジラとvsデストロイアに5にしているわけですが…これはひょっとするとひょっとしましたよ!!!笑


さて、肝心の内容についてだがネタバレの範囲は人によってそれぞれ違うので、何を書いてもネタバレになりそうなので書けないのが辛い…


とりあえずとにかくセリフが多くそして早い。気を抜くとあっというまに話が進むので注意して観なければならないだろう。しかしテンポがよく無駄なセリフはほぼないので気持ちよく見れると思います。
多数の俳優陣に関しては、もろにその俳優の演技レベルが露呈されているので、ちょっと作りすぎかな〜という人もいたけどかねがね良好。
特に主人公とそこに集まるチームは全員キャラが立っていてとても良かった。
それでも気になったところとしては石原さとみのキャラ。完全にルー大柴でしたwwwこれはノイズになる人が多いだろうなぁというところ。そういう時は彼女の類稀なる唇だけ見ておけば良いのではないでしょうか笑


ゴジラの造形についてはなぜ今作はあの姿なのか?という疑問にしっかり答えている。もうヤバイんですよ。あまりに凄すぎて言語レベルが低下してしまぅて、ヤバイヤバイとしか書けないです!!でもヤバイんですよ!!!分かって!察して!!
最初!最初でまずみんな度肝を抜かれます。
そして中盤!中盤ヤバイ!
いや、というか、もう、全部、ヤバイ!!
こんな感じです笑

ゴジラも最高であれば特撮も凄いです。震災を想起させるものが多いので人によってはショックかもしれませんが、そういうところをありのまま描いて見せることができるのがゴジラの醍醐味だと思いますし、描き切ってくれたと思います。
現実なんですよ。これが現実で起きたんですよ、と突きつけられます。

ストーリーはまあ庵野監督のカラーが見事に現れています。ここもオタクオタクしているのが嫌いな人は拒否反応が出るかもしれません。まあでも自分は好きな方だったので全然楽しく観れました

あと音楽は庵野監督と鷺巣詩郎のサービス精神にただただ涙でした。
特にエンディング。
大盤振る舞いすぎですよ!!!
最後に流れる曲でちょうどスポンサーやら自衛隊のクレジットで、曲の意味を考えるとそこもニクいなぁと思いました。


そして一番伝えたいことがありまして。
これを観る前に、ゴジラ作品のみならず東宝やその他特撮(怪獣が出る類)を知ってる限り、調べた限り出来るだけ沢山観ました。

その中で気がついたのは、ゴジラはその当時の日本やそのときそのときの時代を象徴していること。
54年は戦争の残り香と核の恐ろしさを。
そこからプロレスやら公害に触れた。平成では派手なCGやタイムトラベル、バイオテクノロジーも盛り込んだ。他にもたくさんあるかも。
ミレニアムはちょっと迷走気味かもしれないが子供に寄った大味な作りにしvsシリーズとは違うベクトルのエンタメを突き詰めたと思う。
もちろんそれはアメリカも同じだ。
パニック要素のエメリッヒ版ゴジラ、初代にリスペクトしつつ日本ではない国が作った誠意を込められたゴジラ。
いずれもゴジラだと思う。

そして今作のシン・ゴジラはまさに2015,6年に作られるべくして作られたゴジラであり、現段階で考えられる最高のゴジラ作品でもあると思いました。

完全に個人的な意見だけど、これからゴジラで観るべき作品は?と聞かれたら、
初代は凄い古いしなぁ、でもゴジラらしさが一番分かりやすいやつにしたい。そうか、シン・ゴジラは?と提案できる作品だと思います。

確かに54年ゴジラは特別だし聖域のような感じもします。しかし個人的には今作はその聖域に臆する事なく足を踏み入れ、もしかすると後世で54年版と肩を並べられるほどのポテンシャルを持った作品になるのではないかだと思いました。


ではその象徴するものはなんなのでしょう?

それは震災や原発を乗り越えたようでまだ乗り越えられていない日本の空気、そして政府って何?役人って何?そして日本ってなに?というところを切り口に、対ゴジラ(=災厄や戦争)に対して日本はどう戦うのか?というところだと思います。まさにキャッチ通り日本対ゴジラなわけです。

監督はしっかりそれを描き切ったと思います。しかもエンターテインメントとしても素晴らしかった。今の日本に何ができるのか、悪いところもたくさんあったけどそれでも何ができるのか?
それを観たらわかるようになっています。最後らへんの主人公のセリフも僕らがゴジラ(=災厄)とどう向き合うかを示してくれていました。

とりあえず最高です!今年たぶん1位、いや生涯ベストになるでしょう!それくらいでした!!!

これを家庭用テレビで見るにはあまりに勿体なさすぎる!!悩むよりまずは見て欲しい!!是非とも!是非とも劇場へ!!



諦めず、最後までこの国を見捨てずにやろう。
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