タケオ

シャークトパスVSプテラクーダのタケオのレビュー・感想・評価

3.4
 早い話だが、この手の作品に「人間ドラマ」を求める鑑賞者などいるのだろうか?この手の作品に僕が真に求めるもの、それはズバリ清々しいまでの「バカバカしさ」だ。安っぽいCGモンスター、チージー極まりないアホ台詞、血祭りにあげられるリア充ども、僕はそれが観たいのだ。しみったれた「人間ドラマ」などお呼びではないのである。
 前作『シャークトパス』(10年)は、'シャークトパス'というシラフで造形したとは到底思えないようなトンデモモンスターを生み出すことには成功していたものの、どうしても89分の尺稼ぎに苦労しており、中途半端な人間ドラマパートに頼らざるを得なくなっていた。では、どうすれば人間ドラマパートに頼らずに済むのか——もう1匹モンスターを増やせばいいじゃないか‼︎というイージー極まりない(そして絶対的に正しい)アイデアを軸に組み立てられたのが、本作『シャークトパス VS プテラクーダ』(14年)だ。プテラノドンとバラクーダ(オニカマス)の細胞を合成することで生み出された生物兵器'プテラクーダ'の、これまたシラフで造形したとは到底思えないような姿には、一周まわった感動すら覚える。「なんでプテラノドンとバラクーダを合成させるの?」とか、そんなつまらないことを言う奴はもう映画なんて観なくていい。シラフで思いついたとは到底思えないようなトンデモ映画には、それだけで十分に価値があるからだ。シラフで思いつくような退屈極まりない凡庸な映画に何の価値がある?そんなもの、全部まとめてファック・オフである。
 とは言ったものの、まだまだ足りない。前作よりは遥かにマシになっているものの、まだまだ無駄な人間ドラマパートが多すぎる。いっそのこと、もう1匹ぐらいモンスターを増やしてもよかったのではないだろうか。もっとバカバカしくて、もっとチージーで、もっと血塗れの映画を僕は観たいのだ。
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