タケオさんの映画レビュー・感想・評価

タケオ

タケオ

ウェンデルとワイルド(2022年製作の映画)

4.5

マペットに命を宿すことに命を懸けるヘンリー・セリックの執念と狂気は、遂に前人未踏の境地に突入した。生と死、リアルとフィクション。アニメーションの魔力が、あらゆる境界を軽々と超越する様には感嘆とさせられ>>続きを読む

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

1.5

-雰囲気で誤魔化すだけの浅薄な作品『マイ・ブロークン・マリコ』(22年)-

 第24回文化庁メディア芸術祭のマンガ部門新人賞を受賞した『マイ・ブロークン・マリコ』(19年)の実写化作品。監督は『月
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ヘルドッグス(2022年製作の映画)

4.1

-岡田准一のモテモテハーレム、美しくも切ないドライなBL映画『ヘルドッグス』(22年)-

 同じ潜入捜査官ものでも、『白熱』(49年)『ハートブルー』(91年)『フェイク』(97年)『インファナル
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.9

-「意味」を求めずにはいられない人間の弱さを浮き彫りにする怪作『LAMB/ラム』(21年)-

 宗教的なモチーフが随所に散りばめられているが、実のところ本作『LAMB/ラム』(21年)は、全く宗教
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激怒(2022年製作の映画)

4.2

-怒れ、真の個人であるために!『激怒』(22年)-

 大変パワフルな作品である。低予算のインディーズ映画ではあるものの、制作陣の「こういう映画がつくりたい!」という情熱がスクリーンを越えてヒシヒシ
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.3

-生真面目さが導き出す「映画」の醍醐味『NOPE/ノープ』(22年)-

 生真面目かつ意欲的なクリエイターたちは、必ずといっていいほど物事の本質について表現しようと試みるものだ。真摯かつ誠実に物事
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ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV(2021年製作の映画)

4.5

-スタローンがいる限り、この世界はまだ大丈夫だ 『ロッキーVSドラゴ:ROCKY Ⅳ』(21年)-

 『ロッキー』シリーズ(76~06年)はアメリカン・ドリームを成し遂げた男の物語ではあるものの、
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運命のイタズラ(2022年製作の映画)

2.9

-リリー・コリンズは早くパリから帰ってこい!『運命のイタズラ』(22年)-

 映画『アンダー・ザ・シルバーレイク』(18年)は、デヴィッド・ロバート・ミッチェル監督の「ハリウッド・ヒルズに立ち並ぶ
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女神の継承(2021年製作の映画)

4.3

-映画的な愉快と絶望が詰まった暗黒ジェットコースター・ムービー『女神の継承』(21年)-

 神やら精霊やらといった存在が、真の意味で人間に救いをもたらしたことは一度もない。にも関わらず、それでも多
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エルヴィス(2022年製作の映画)

4.2

-キング・オブ・ロックンロールという神話 『エルヴィス』(22年)-

 映画『キング・コング』(33年)のクライマックスで、コングがエンパイア・ステート・ビルから墜落する姿に胸を締め付けられるのは
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呪詛(2022年製作の映画)

4.3

-「映画」という名の呪いが現実を蝕む!『呪詛』(22年)-

 突き詰めて考えると、世に存在するあらゆる映画は例外なく全て「呪いのフィルム」だといえるだろう。「約2時間前後の映像体験が、(良くも悪く
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ニューオーダー(2020年製作の映画)

4.5

「地獄」とは今お前がいるこの世界のことだ!『ニューオーダー』(20年)

 超資本主義や国家といった「非人間的システム」が本来的に内包した邪悪さを、どす黒い笑いとともにシニカルに描いたブラック・コメ
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.6

トム・クルーズの狂気が問いかける「映画」の未来『トップガン マーヴェリック』(20年)

 エンターテインメントに人生を捧げる漢トム・クルーズの「映画はでかいスクリーンで鑑賞してこそ意味があるのだ」
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パリ13区(2021年製作の映画)

4.7

-たった一瞬のまやかしが「映画」を輝かせる『パリ13区』(21年)-

 人と人とが'真の意味'で繋がり合うことは恐らく不可能である。どれだけ綺麗事を並べようとも、何度体を重ね合わせようとも、そこには
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.6

-「ヒーロー映画」でなければ味わうことのできないカタルシス『THE BATMAN ーザ・バットマンー』(22年)-

 「周りの連中からしてみれば、お前は俺と同じ怪物(フリーク)さ」───かつて『ダ
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シラノ(2021年製作の映画)

3.4

-良くも悪くも優等生的なミュージカル『シラノ』(22年)-

 フランスの劇作家エドモン・ロスタンによる戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』(1897年)を原作としたミュージカル映画。『プライドと偏見
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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.0

-ゴージャスな映画ではあるのだが・・・『ナイル殺人事件』(22年)-

 「ミステリーの女王」ことアガサ・クリスティによる傑作小説『ナイルに死す』(37年)の3度目の映像化作品。名探偵エルキュール・
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ドリームプラン(2021年製作の映画)

3.8

-偉大な父親か?それとも怪物か? 『ドリームプラン』(21年)-

 鑑賞後に相反する感情が渦巻く、なかなか一筋縄ではいかない作品である。ストレートに「家族の愛と絆を描いた感動作」として受け取ること
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悪魔のいけにえ レザーフェイス・リターンズ(2022年製作の映画)

3.5

-レザーフェイスのキュートさは何処へ・・・『悪魔のいけにえ レザーフェイス・リターンズ』(22年)-

 今なおホラー映画史に燦然と輝く金字塔『悪魔のいけにえ』(74年)は、そもそもトビー・フーパー
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アンチャーテッド(2022年製作の映画)

3.7

-ルーベン・フライシャーこそ真に立派な映画監督だ!『アンチャーテッド』(22年)-

 世界を股にかけるトレジャーハンター ネイサン・ドレイク(通称:ネイト)の活躍を描いた人気ゲーム『アンチャーテッ
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ゴッド・ブレス・アメリカ(2011年製作の映画)

4.3

-「激怒系アンチ・ヒーロー」はいつだって「正しい」のだ!『ゴッド・ブレス・アメリカ』(11年)-

 今さら言うまでもなく、我々が生きているこの「社会」とは不条理や残酷に満ちたごみ溜め以下の場所であ
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ジャッリカットゥ 牛の怒り(2019年製作の映画)

4.4

-狂乱の果てに目覚める「野蛮」を真っ正面から描ききった大怪作!『ジャッリカットゥ 牛の怒り』(19年)-

 あらすじ自体は至ってシンプルだ。インドのケラーラ州にある辺境の村で水牛が逃亡してしまい、
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.5

-「映画的恍惚」が限界まで極まる至高のミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』(21年)-

 「一体どうやったらこんな画を撮影することができるのか?」と思わず息を呑むような、そんな驚異の映像の
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ゴーストバスターズ/アフターライフ(2021年製作の映画)

1.0

-吐き気を催す邪悪とはこのことだ!『ゴーストバスターズ/アフターライフ』(21年)-
 
 「よく聞かれるけど、僕は『ゴーストバスターズ』の続編を制作する気はないよ。最も退屈な作品になると思う。僕は小
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シーワールドZ(2021年製作の映画)

2.4

-コロナ禍でも安定のアサイラム・クオリティ!『シーワールドZ』(21年)-

 B級映画プロダクション「アサイラム」の人気(?)シリーズの1つ、『ZOOMBIE ズーンビ』トリロジー(16年~)の第
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アオラレ(2020年製作の映画)

3.8

-無礼者に怒りの鉄槌を!日常のすぐ隣に潜む「モンスター」の暴走に涙『アオラレ』(20年)-

 「俺に残された最終手段は暴力だけなんだ」──謎の男(ラッセル・クロウ)はそう呟きながら、白昼堂々と執拗
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355(2022年製作の映画)

3.7

-「60点満点映画」としては文句無し!『355』(22年)-

 そもそも観る前から上等な完成度なんて期待していないし、いざ鑑賞してみるとやっぱりお世話にも上等な完成度とは言い難い。しかし、そんなユ
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.2

-美しく尊い「今、この瞬間」への情景『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(21年)-
 
 ウェス・アンダーソンの映画がいつもビターな後味を残すのは、いずれの作品に
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バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ(2021年製作の映画)

3.5

-ジョン・カーペンターへの「愛」が溢れすぎた珍作『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』(21年)-

 随所で看過し難いほどのガサツさが目立つ、お世辞にも良くできているとはいえないヘッ
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.8

-ステレオタイプを拒否し「個人」として描ききる誠実さ『コーダ あいのうた』(21年)-

 フランス映画『エール!』(14年)のリメイク作。マサチューセッツ州のグロスターで漁業を営む耳の聞こえない一
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さがす(2022年製作の映画)

4.4

-どん詰まりの日本を赤裸々に描いたブラック・コメディ『さがす』(22年)-

 ポン・ジュノや山下敦弘の元で研鑽を積み、『岬の兄妹』(18年)で鮮烈なデビューを飾った映画監督 片山慎三の長編2作目に
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真夜中乙女戦争(2021年製作の映画)

3.6

-これは日本版『ドニー・ダーコ』だ!『真夜中乙女戦争』(21年)-

 まだ何者にもなれていない。にも関わらず、根拠のない謎の全能感だけは無駄に高い。そんな頭空っぽな若者のパンパンに膨れ上がった「自
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ハピアー・ザン・エヴァー L.A.へのラブレター(2021年製作の映画)

3.7

-ビリー・アイリッシュと新時代の「アメリカン・ウェイ」『ハピアー・ザン・エヴァー L.A.へのラブレター』(21年)-

 2021年10月2日、テキサス州で毎年開催されている「オースティン・シティ
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68キル(2017年製作の映画)

3.8

-殺られる前に殺れ!クズども大集合の血みどろジェットコースター・ムービー『68キル』(17年)-

 小説家ブライアン・スミスによる同名パルプ・マガジンを原作としたブラック・コメディである。監督は、
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クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.9

-安らぎをもたらすのは「男らしさ」ではなく「優しさ」だ『クライ・マッチョ』(21年)-

 1971年に劇作家のN・リチャード・ナッシュが執筆した同名小説を原作としたロード・ムービーである。監督は、
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

4.4

-全然華麗じゃない一族の狂乱祭『ハウス・オブ・グッチ』(21年)-

 リドリー・スコットは徹底した無神論者であり、「神」やら「血統」といった類のものに一切の意味を見出していない。所詮人間なんて生き
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