スペクター

クリード チャンプを継ぐ男のスペクターのレビュー・感想・評価

3.0
プロフィールに “映画好き” と書いたものの、
映画ファンの皆さんはどれくらいのペースで映画を観てらっしゃるのか?
Filmarks に毎日のようにアップされている豪傑な方も見掛けるが!
私の場合、映画を観るペースは一週間にせいぜい2~3本程度である。
ときたま一日に3本ということもあるが。
しかし、Filmarks へのアップは気の向いたときだけとさせてもらっている。

一日3本観ることはそうはない。
シリーズものを一気に観たいときなどかな。
例えば、 『ロッキー』 シリーズ。
何年か前から PC のハードディスクに “ダビング10” なる形で ロッキーシリーズ が溜まりだした。
気が付くと “6作” にもなっている。
溜まるといよいよ観るのに気が重く、ついつい引き伸ばしてきてしまった。
ところが、 ロッキー の新作をやると知り、
『これは、早く観ておくしかない!』 と、一気に見たものである。 1日3本で2日掛かった。

PC の “ダビング10” 、見るよりダビングの方が多く捌けないで溜まる一方。
PCのハードディスク、外付けを含め トータル “9テラ” あるも結構一杯になってきた。
どんどん見て消していかないと、と気が焦る。

映画館には、見たい映画がどんどんやって来るわ。

見るペースをバンバン上げるしかないのだが。


ところで、この 『ロッキー』 シリーズ、内容は実に判りやすい。
いろいろ苦難はあっても、結局はリングに立つ。
リングで最初はやられても最後は必ず勝つ。
6作品ともほぼ同じパターンで結果は判っていても
ハラハラどきどきしながら最後はスカットする。

ロッキー・バルモア役のシルベスター・スタローンの自作自演ときているから力が入る筈である。
脇を固めるキャストも名優が揃っている。
チャンピオンのアポロ・クリード役のカール・ウェザース。
セコンドのミッキー役のバージェス・メレディス。
ロッキーの奥さんエイドリアン役のタリア・シャイア。
エイドリアンの兄ポーリー役のバート・ヤング。
みんな個性豊かで迫力満点である。
シリーズの魅力が衰えず続く筈である。
ロッキーの主題歌もその魅力を支え続けている。

特に、タリア・シャイアは 『ロッキー』 の4年前公開の 『ゴッドファーザー』 に出演しており、
この時も、同じく “シリーズもの” を通して若役から年配役までをうまく演じている。

2日でこの6作全作を一気に見たが、すっかり堪能させてもらった。


さて、本作 『クリード』 。

亡きチャンピオン アポロのDNAを持った息子を、
ロッキーがセコンドとしてチャンピオンに仕立て上げるというストーリー。
ロッキーシリーズがやられてやり返すというリベンジ的な要素を強調しているのに対して、
こちらは、サクセスストーリー。

ロッキーが公開されてから39年。
さすがのスタローンも、監督・脚本共人に譲っている。
製作並びに出演は健在。
2006公開の第6作 『ロッキー・ザ・ファイナル』 辺りから歳を感じさせるようになり、
今回は、体力的にも現役ボクサーは限界であると思わすし、
実際そのように演じているところは立派である。
年取ったスタローン、渋さはもちろん、
ほんとうに人の好さそうな人間味のある味が出ている。 素晴らしい!

主役、アポロの息子アドニス・ジョンソン役のマイケル・B・ジョーダン。
ガッツがあり仲々の好青年。
初演作と同じ監督ライアン・クーグラーの目に留まったと思われる抜擢である。
ただ、主役としてどうしても若き日のスタローンと比べてしまうが、
29歳という若さもあり、やや荒削りで物足りなさを感じてしまうのは私だけだろうか。

他に、クリードの相手役のビアンカを演じるテッサ・トンプソン、 ライブハウスで歌った曲 実にいいね! 全曲が欲しい。
クリードの母親メアリーのフィリシア・ラシャドなどいいキャストを配している。


やがて、この陣容でクリードシリーズとしてロッキー映画の踏襲を目指すと思われる。
本作を含め3作は続けるだろう。
『ロッキー3』 でロッキーのセコンドであるミッキーが息を引き取るように、
クリードのセコンドであるロッキーもいづれは息を引き取らせる場面が出てくるだろう。
それが第2作となる。
第3作が、独り立ちしたクリードがどうなるか、見極め作となるであろう。

一部で、この作品がロッキーのスピンオフ作品と言われているが、
なんのなんの、立派なシリーズ≪新章≫となっている。
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