NAO141

エイリアン:コヴェナントのNAO141のネタバレレビュー・内容・結末

エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

キャッチコピーは「絶望の、産声」。
米国版では「The path to paradise begins in hell(天国への道は地獄から始まる)」。キャッチは日本版の方が好きかも笑

前作プロメテウス号の失敗から10年が経過している。本作コヴェナント号は2000人の冷凍保存された入植民と1000個の胚芽を乗せて未知なる惑星へ、さながらノアの方船を彷彿とさせる。
本作はオリジナルへの原点回帰色も強く、随所に『エイリアン』を彷彿とさせるシーンが多数見られる。

物語ラスト、結末は衝撃……。
「もしかしたら、いや…まさかねぇ」と思っていたら、やっぱり結末はそうなった…後味悪い苦笑
前作のショウ博士が死んでいた、いや殺されていたことも衝撃……。
本作は我々のよく知るエイリアン(ゼノモーフ)が本格的に登場、暴れっぷりがすごい笑
誰もが胸から飛び出るチェストバスターを待ち構えるシーンでは、胸(腹)からではなく、背中を突き破って登場にはビックリ!

本作を見終わりエイリアンシリーズを振り返ると、これはアンドロイドの物語なのではないかとさえ思える。
オリジナル作ではアッシュの不気味さが際立ち、続く『2』『3』では改良されたアンドロイドとしてビショップがリプリーの仲間に。さらに続く『4』ではアンドロイドが自ら改良した新型モデルのコールが登場。そして、前作・本作デヴィットである。デヴィットはオリジナル作のアッシュを彷彿とさせる。どこか不気味で何を考えているかわからない。

日本版キャッチの「絶望の、産声」
これは最初、我々のよく知るエイリアン(ゼノモーフ)がついに登場(誕生)という意味で捉えていたが、本作を見終わるとこの「絶望」とは自我に目覚めたアンドロイドの恐怖と捉えることが出来るような気もした。
いまはシンギュラリティ(技術的特異点)が騒がれる時代、いつかコンピューター(アンドロイド)が人間を凌駕する日が来るかもしれない、そんな日は近いかもしれない。
宇宙で遭遇する未知の生物も恐怖だが、我々人間が作ったコンピューター(アンドロイド)が我々を凌駕するのもまた恐怖。まさに、「絶望の、産声」はすぐそこにあるのかもしれない……。
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