へたれ

ブルックリンのへたれのレビュー・感想・評価

ブルックリン(2015年製作の映画)
3.7
シアーシャ・ローナンの演技と、ウェルメイドな脚色のおかげで最後まで楽しめた。
船上の会話、入国審査、寮の食卓、デパートの接客、海水浴、告白された時の反応など、同じシチュエーションの繰り返しから対比を見せることで、主人公や周りのキャラクターの成長や変化を表現する脚色は、ありがちだけど良く練られていた。
シアーシャ・ローナンは、垢抜けない少女から移民としての力強さまで、この人以外の配役が考えられないぐらいのハマりっぷり。劇中では船酔いとホームシックぐらいしかまともな苦難が降ってこないのに、この人の演技のおかげで成長物語として成立していた。
デザインとコスチュームは、時代考証を踏まえつつ色の対比も印象的だったけれど、タイトルの割には対岸にマンハッタンが見えること以外にブルックリンという街らしさが見えなくて、ちょっと物足りない。
それにしても、話そのものは朝の連続テレビ小説並みに他愛なかった。
へたれ

へたれ