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ブルックリンのkoyaのレビュー・感想・評価

ブルックリン(2015年製作の映画)
4.0
1950年代、アイルランドからアメリカへ移住した若い女性の物語。
アイルランドはもともと移民の国。
『アンジェラの灰』なども、最後は主人公はアイルランドからアメリカに移住する。

アメリカって移住の国なのだなぁ、というのがよくわかる映画。
E・アーニー・プルーの『アコーディオンの罪』という本があるのですが、イタリア人によって作られたアコーディオンが、アメリカに渡った様々な国の移民たちの手に渡っていく、という物語。
どの国の移民たちもアメリカで、「故郷のコミュニティ」を作り、それがアメリカ人になっていく、という事がよくわかるので、日本人には感覚がわかりにくい部分だと思います。

この映画では、ブルックリンがアイルランド移民たちが集まる所です。
主人公のイリスもブルックリンで寮生活をしながら、デパート勤め。
そして、夜学で簿記を習い、さらなるステップアップを望むし、イタリア人移民の男性と出会い結婚。

姉が急逝した為、アイルランドに戻ったイリスですが、住み慣れた故郷で昔と違って、仕事もある、母もいる・・・しかし、狭い世界でもある・・・というどちらがいいか、という状況に立たされるのでした。

この映画、脚本のひとりがニック・ホーンズビィで『ハイ・フィディリティ』の原作の人でした。
ジョン・キューザック主演で舞台をシカゴに変えて映画化されましたが、もともとの舞台はロンドンでした。

今でも、アメリカ人といってもアイルランド系とかドイツ系など祖先は色々な訳で、そこら辺が日本人にはわかりにくい所かもしれません。
大々的に結婚式、披露宴できればよかったのでしょうが、1950年代の移民同士、実際こういう形の簡単な結婚ってあったのだろうと思います。
アメリカの礎の側面を描いた映画。
(2017.11.5/動画配信)
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