とりん

ゴースト・イン・ザ・シェルのとりんのレビュー・感想・評価

2.6
2020年17本目

今でも根強いファンがいる漫画原作、テレビアニメシリーズや劇場アニメなど多数シリーズ作品がある攻殻機動隊のハリウッド実写版。
原作漫画もアニメも過去作は一切見たことないので、どういった話かも予備知識なしで鑑賞したのだけれど、イマイチ全体像というか訴えたい部分がよくわからないまま終わってしまった。
ストーリーの大筋は読めたのだけれど、かなり浅く思えてしまった。

スカーレット・ヨハンソン演じる少佐が警察の公安9課に所属し、任務を全うしながら、自身の記憶を取り戻そうとしているのはわかるのだけれど、感情的にも内容的にも深入りできなかった。
近未来を描いた街並みは良いのだけれど、ブレードランナーの世界観とダブってしまい、なんだか真新しさは感じることができない。
戦闘シーンや精神ダイブのシーンなんかも、物足りなさが強いし、元の設定がかなり複雑で凝っているのはわかっているが、それをうまく伝えれてないように思えた。

9課のリーダーでもある荒牧課長が北野武であるが、なぜ彼だけずっと日本語で話しているのかが謎だった。
英語と日本語でやり取りできているのも意味がわからないし、日本原作的な意味も込めて日本要素を入れたかったのかもしれないが、正直違和感でしかなかった。
街並みや背景の一部やキーワードとして日本語が用いられるならわかるが、必要性が感じられない。
なんならこの役は北野武でなくて良いと思う。
それならすべて英語が良かった、彼が話しているのもあるし、英語に混じって日本語が急にくるので聞き取りづらすぎる。
日本人でも良いが、アジア系や日系であれば良かった気もする。
北野武の無駄遣い感がある。
ただ少佐のゴースト元である素子の母親を演じた桃井かおりは良かった。
出番は少ないが全て英語でありながらも、演技はかなり印象的だった。

ただやはり全体的に残念感が否めない。
後半はまだ良いが、よくわからず話が展開する序盤はかなり退屈であった。
元々ダークな話であるのだろうけど、もっとハリウッドぽくアクションとかに振り切った方が良かったのではと思ったりもする。
少佐の心情描写は、スカーレット・ヨハンソンが演じてるだけあって、伝わってくるのもあったし、わかりやすく表現していたと思うが、いかんせん浅い。
主軸をそちらにおきすぎていて、全体像がぼやけている。
このマイナスイメージを払拭するのと補完的な意味も込めて、原作かアニメをいつか観たいところ。
とりん

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