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みかんの丘のさんぴんのレビュー・感想・評価

みかんの丘(2013年製作の映画)
3.0
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#映画備忘録 #20200723
#みかんの丘
監督脚本/ザザ・ウルシャゼ
#Mandariinid
#Tangerines
2013/ロシア・グルジア・エストニア/87分
#Amazonプライム
#映画部 #映画好きな人と繋がりたい
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@etoile_cinema さんのオススメ🔆
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エストニアとジョージアの合作映画で、
みかん畑で働く2人のエストニア人が敵同士の
傷ついた兵士を看病する姿を通じ、
戦争の不条理さを描いた。
アブハジア自治共和国のエストニア人集落。
この集落ではみかん栽培が盛んだったが、
ジョージアとアブハジア間の紛争により、
多くの人が帰国してしまった。しかし、
みかんの収穫が気になるマルゴスと、
みかんの木箱作りのイヴォの2人は集落に
とどまっていた。ある日、マルゴスと
イヴォは戦闘で負傷した2人の兵士を自宅で
介抱する。1人はアブハジアを支援する
チェチェン兵、もう1人はジョージア兵で、
彼らはお互い敵同士だった。同じ家に敵兵が
いることを知った兵士たちは殺意に燃えるが、
イヴォは家の中では戦わせないことを告げ、
兵士たちは戦わないことを約束する。
数日後、事実上アブハジアを支援するロシア
の小隊が集落にやってきた。
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割とどっしり来る反戦映画でした。
本作の主人公と言えるイヴォと、その友達
マンゴス、そしてチェチェン人の兵士と
ジョージア人兵士の擬似家族もの映画。
お互い敵同士の兵士たち、しかも目の前で
友人を殺された直後、助けられた家に
その殺した敵兵がいて。。。
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すごく気まずいテラスハウス状態。
最初の方はお互い殺意が芽生え、隙あらば
殺ってやろうとしているけれども、
家主のイヴォに諭される日々。
そんな彼らも、同じ釜の飯を食うで、
日に日にお互いの背景を知っていき
友情とまではいかないけれども、ある程度
お互いを理解し尊敬するように。
この辺りの、いわば擬似家族が形成
されて行くところは和みシーンも多くて
あまり緊張せずに観れる。
敵兵に余計なことを言ってイヴォに
怒られる所も和めていい感じ。
逆に、この映画緊張シーンが2回くる。
どちらも、サスペンスの王道の
バレる!?バレない!?シーン。
ジョジョラビットでもありましたね。
一気に緊張感が増して、ハラハラする。
ただそこで相手を庇う時のセリフで
お互い敵同士だったはずの2人の兵士の
関係性の変化を感じ取れたりで、一旦は
ほっとする。そしてやってくる2回目。
1回目とは対極で、緊張というか絶望。
そしてそれ通りの結末になってしまう悲しさ。
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そこからのラスト15分。
あれ?反戦映画だけど、意外とメッセージ性は
薄いのねって思ってたら巻き返す。
軍隊の自己中っぷりだったり、問答無用で
訪れる死だったり。
ちなみに途中のBBQシーンで、死に乾杯
ってセリフを巡るくだりがあるけど、それが
結末の伏線にもなってるので要注意。
劇中では語られることのなかったイヴォの
家族について、特に本当に触れられなかった
息子のいきさつが語られる所は感動しました。
そして全てを知った上でイヴォの優しさと
心の広さに再感動。
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87分って尺も素晴らしいです。
ダレることなく、ずっと集中して観れる
いい長さでした。
オススメありがとうございました。
反戦映画の傑作だと思います。
オススメです。
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