あなぐらむ

さらば あぶない刑事のあなぐらむのレビュー・感想・評価

さらば あぶない刑事(2016年製作の映画)
4.5
ちゃんと、多分一番ちゃんと「あぶない刑事」だった。
映画好きから総スカン食らおうと構わない、これは東映セントラルのDNAを確かに感じる映画だった。観たいものは全部入ってた。

基本プロットは柏原さんが書いた「もっともあぶない刑事」であり、時効になるのが犯人じゃなくて自分達(定年)というツイストになっている。大川さんが入らなかった事で、話があっちこっちに行かなくて済んだ。
タカは銀星会の上位互換であるガルシアたちとの因縁、ユージは吉沢亮たち若いのの面倒見と、それぞれずっとやってきた事を「繰り返す」。
トオルも変わらずにトオルであるという事。これが一番凄かったかもしれない。

んでね、本作にはちゃんとした「アクションシーン」があるんですよ。「暴力シーン」じゃなくて、段取りのあるアクションね。スパーンと銃撃って、着弾があって、相手が倒れて。突発的ではない流れのアクション。これは邦画のどっかで途切れてたもの。これをデカいスクリーンで観られる幸せ。
ハーレー乗ってショットガン撃つ。カッコいい。そういう事です映画って。

尺も最近の邦画では短い?118分にまとめてある。ニュージーのシークエンスが無ければもっと短い。ギャグをあれだけ入れてこの尺。
俺はあの「明日に向かって撃て」以降はあの世だと思っているので(2本ホールインワンが入る=この世ではない)、90分でも良かったぐらいだ。

一個上の友人が本作を観てきた直後、「びっくりするぐらいあぶない刑事だったよ」とメールしてきた。やはり同時代を生きた人間には届くんだな。面白い話だ。

※若い世代の方は本作を観てどんどん批評してください。
おかしいと思う所をあげてください。そして貴方達世代が観たい「アクション映画」について考えてみてください。
そうする事が、この映画が作られた事の一番の意義です。「印象批評」ではない批評をお願いします。