とりん

遥か群衆を離れてのとりんのレビュー・感想・評価

遥か群衆を離れて(2015年製作の映画)
3.6
2020年58本目

文豪トーマス・ハーディの同名小説を1967年に続き再実写映画化。
伯父から農場を受け継いだバスシーバは、羊飼いのガブリエルからプロポーズを受けるが、これを断ってしまう。
ガブリエルはそのあとある事件から職を失い、バスシーバの使用人となる。
バスシーバは隣の農場主のボールドウッドから求婚を受けるが、トロイ軍曹と恋に落ち、結婚することになる。
彼女の姿をずっとガブリエルは見守っていた。

19世期のイギリスを舞台で、農場や羊牧場がメインなので、広がる牧草地や田舎の風景がとにかく美しく映し出されている。
序盤から映像に釘付けになってしまった。
そこにキャリー・マリガンをはじめ、俳優たちの演技がとても良かった。
話としてはバスシーバが短期間の間に3人の男から求婚を受けるというモテ期的な話で、まぁ最後はそうなるだろうなというオチではあるが、みんな一度は不幸になっている。

全体的にノスタルジーな雰囲気が出てて、この西洋風な感じがすごく良かった。
映像と音楽、そしてキャリー・マリガンを観るだけで満足できる映画。
話としては各々の話をもっと長回しに150分くらいになってもいいから掘り下げて良かったのではと思う。
前の映画では170分弱もあるわけだし、映像が丁寧なだけに、話ももっと丁寧にしたほうがよりそれぞれの話と想いが際立ったはずだ。
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