Kaoru

午後の曳航のKaoruのレビュー・感想・評価

午後の曳航(1976年製作の映画)
3.2
アタシの性格が歪んだのは三島由紀夫の金閣寺のせいだと思ってるわ。そして、そんな自分が嫌いではない。

残念ながらこの作品に関しては原作を読んでおらず、みなさんがおっしゃる「原作は〜」という話ができないのだけれども、とにかくこの作品をアメリカが作らなくてよかったというその一点に尽きるわ。
静かで残酷で恐ろしい。そそ、この感覚は三島由紀夫さんのそれをちゃんと受け継いでるわ。でもひとつも押し付けがましくないから、考える余韻も与えてくれる。

子供は怖い生き物だ。無知で衝動的で素直すぎる。この子たちがどうやって年を重ねてどんな大人になるんだろう。でもね、子供なのに良い子すぎるのは、それはそれで怖いかもしれない。
なんか、ショックすぎてずっとこの作品のことを考えてしまいそう。こんなレビューしか書けないわ。

余談だけれども、本の虫だったかのデビッドボウイ氏が愛読していた本の中に午後の曳航があるのですって。もう一回観てみたい。
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