記録。
プロフェッサーの密かな愉しみ
前作『マジック・イン・ムーンライト』に引き続きエマ・ストーンを迎え制作されたウディ・アレン監督作。共演はホアキン・フェニックス。
全てに無気力な哲学教授のエイブ(ホアキン)に生きる活力を漲らせたもの、それは悪徳判事を自らの手で殺害する完全犯罪。ちょっとした世直しだ。一方で彼の赴任当時から好意を寄せる女子大生のジル(エマ)は、そうとは知らずにますます恋心を募らせていくが…。
久々に「黒い」アレンを観た気がする。
いかにもロマコメ然としたジャケ写や予告編とは裏腹に全然ロマンティックではございません。
読んだ事無くても内容は知ってる人も多いだろう有名なあの小説(劇中でも登場しますね)を下地にしてることは明らかで、雰囲気こそいつもの軽妙な感じでもやたらダークなんですよね。
まずホアキンの闇っぷりがね…。
流石巧いんですよ。さりげない狂気が。
色々あってのダークサイドだって雰囲気ビンビン醸し出してる。
そんな暗黒教授に、
彼氏がいながらも惹かれていくエマは前作に引き続きめちゃくちゃ可愛い。僕ちょっと今から大学教授目指しますわ(無謀)
ネタがネタだけにほぼ笑えない程度のシニカルさだったけど、その辺は寧ろ成る程って思えたし、アレンの持ち味でもありますもんね。僕はこれはこれで好きです。
立てちゃいけないフラグ立てまくるエマにヒヤヒヤ。チンチクリンなキスシーンにはニヤニヤ。小道具の使われ方が良き。
決して悪い映画ではありません。
でも愉しみかたにちょっとコツがいるかな。
にしても、
この邦題はちょっと審議が必要ですねぇ…。