磔刑

グレートウォールの磔刑のレビュー・感想・評価

グレートウォール(2016年製作の映画)
1.0
「狐と狸のばかし合い」

米中合作の馬鹿映画。良くも悪くもその域は出ず、ツッコむ所は万里の長城程あれど褒める所は微塵もない。

いくつか主要な所をツッコむなら青い兵士の攻撃方法が目に余るほど非効率でドヤ顔で特攻し、案の定死んでるのだから失笑するしかない。肝心な万里の長城を死守する攻防も実は穴が開けられてて越えられてました。というマヌケ極まる展開であんな知力のカケラもない様な生き物に欺かれて中国人よ恥ずかしくないのかと思う。
最大の欠点は中国人キャストが全然活躍しない点だ。その他大勢で戦うシーンはあれど一個人としての活躍は皆無で、その点はマット・デイモンの独壇場だ。他国の映画なれど情けなさこの上ない。脳死でホワイトウオッシュと言うつもりはないし、国際的なマーケティングを考えれば白人・有色人種に限らず世界的に著名な人物を主人公に据えるのは真っ当な(“マット”・デイモンなだけに)考えだ。ただ今作といい昨今の中国マネーが大きな制作資本となる作品での雑な扱いの中国人キャスト(最近だと『キングコング髑髏島の巨人』)や意味不明な中国描写(『トランス・フォーマー/ロストエイジ』の牛乳は伝説級)は大金を叩いててそれでいいのか?と逆に中国人が心配になってしまう。ましてや今作の様に中国が舞台でありながら自国の人間が全然活躍しない内容で本当に満足なのか?だとしたら相当金の使い方を間違ってるし、芸術や創作に対する意識が余りにも低いと言わざるを得ない。またハリウッドからすれば制作費、興行収入の両面で金さえ払ってくれりゃ中国だろうがその他の国だろうが誰だって構わない訳で、定期的に糞適当なご機嫌取りの映画作ってゴマをすったろの精神で作られた観客不在の作品なのだから馬鹿馬鹿しさは相当極まっていると言える。
そんな雑念が終始過ぎる珍作であり、金と時間が余りに余っている方は30番目位の暇つぶしの選択肢にどうぞ。
磔刑

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