楽しかった。
北アルプス山中に建つ茅葺き屋根の家で共同生活を送る真木協働学舎の人々。彼らの春夏秋冬を映すドキュメンタリー。
ちょっと風変わりなおっちゃんたちが出て来る。競争社会では生きられないだろうおっちゃんたちだ。自分の身の周りに現れたら「何事だ?」と目を合わせないように観察しちゃうような。
彼らをそんな感じで最初は警戒しながら観ていたけれど、だんだん馴染んで来て気がつくと彼らの挙動に笑いが起こっていた。馬鹿にした笑いではなく、愛すべき仲間に対する笑い。
そんな風に彼らと我らの間の壁が消えて行けばいい。協働学舎という特別な場所でなくとも、彼らが受け容れられる社会になればいいと思う。
この映画はそれを声高に訴えるものではない。「こんな生活をしている人たちがいたから撮って来たよ。見てみて」と淡々と映していく。それがとてもいい。
田植えをしたり、雪下ろしをしたり、「いただきます」を待ち切れなくて味噌汁飲んじゃったり。そんなこんなを観ているのがとても楽しかった。