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僕と世界の方程式のharuのレビュー・感想・評価

僕と世界の方程式(2014年製作の映画)
3.5
X+Y=?

自閉症のネイサンは幼い頃から数学の才能を発揮。数学オリンピックを目指して勉強に励み、めでたくイギリス代表メンバーに選ばれる。代表合宿で中国代表のチャンとも仲良くなり、ウキウキのネイサンだったが、オリンピック当日に人生の選択を迫られることに。

「普通」じゃないネイサンは、成長するにつれて言いたいことを言えない子になっていた。彼が思ったことをそのまま言えば、まわりが「こいつやばい」って目で見てくることくらい、彼もすっかり理解していたからだ。ところが数学オリンピックを目指すメンバーはみんな個性的で、ネイサンは全く目立たない。さらに外国人ともなれば、微妙なニュアンスが伝わりづらいからか、ネイサンの発言は全く問題にはならない。ということで同じく頭が良い中国人のチャンが、ネイサンに猛アタックしてきて、彼も少しずつ心を開いていく。
あらすじから良い話なのは間違いないですが、本人より印象的なのがネイサンの母ジュリー。母親として最も長い時間息子と向き合ってきた彼女こそ、本作の最大の苦労人なのになかなか報われないのが辛い。しかもネイサンは悪くないから、怒りや悲しみを持っていく場がなく、一人で必死に耐える耐える耐える…夫がいればと何度思っただろう。
ネイサンの人生が上昇傾向にあっても、同じく自閉症のルークは相変わらず低空飛行。彼は一生懸命周りに溶け込もうと、テレビのネタを真似したりするのに、タイミングが読めず浮いてしまう。仲間たちからも「あいつ自閉症だから」とバカにされ、一人で苦しんでいる。ネイサンもルークも一見自由そうで、まわりの目なんか気にしてなさそうだけど、そんなことは決してないのです。
ネイサンよりも、ルークの今後が気になってしまったり。
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