よう

猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)のようのレビュー・感想・評価

4.0
リブート3作目。

20世紀フォックスファンファーレが猿の惑星バージョン。


エイプと人間との戦争が描かれる。
加えて、主人公シーザーによる復讐という要素があるため、けっこうシリアスなトーン強め。


悩めるシーザー。
彼はあくまで穏健派であるのだけど、人間への憎悪が掻き立てられ、コバの存在もちらつく。
今作、ずっとシーザー個人の葛藤を観ていくことになり、それ自体は興味深い。
同時に、けっこうミニマムな話とも見れちゃうところもある。

対する、人間側の大佐。
『地獄の黙示録』を想起しちゃうような、なかなかの存在感。
前半はちょっとしか姿を見せないのもいい。
それもあって、非情な人間として立っているのだけど、彼にもそれなりの理由があるのも味わいがある。

他にも、人間側に仕えるエイプがいたり、エイプたちに同行する人間の少女かいたり、なかなか複雑な構図。
娯楽大作映画にありがちな、単純な構図で戦争を見せるということをしてないのは好感。

人間側のあの設定とか、ノヴァという名前とか、かつての一作目の『猿の惑星』からの要素なのね。直接的なつながりがあるのかわからないけど。


重いトーンのなか、バッドエイプの存在はいいユーモア。
あと、あの硬派イケメンゴリラと少女とのやり取りは感動的。

今作、シーザー個人の話のようで、実はちゃんと周りのエイプたちにも見せ場がある作りなのはうまい。
それもあって、終盤はケイパーもの的なスリルがある。


3作通じて、人間側はあくまで人間のせいで絶滅に追いやられていると言えるバランスのままなのはよかった。
シーザー三部作としては今作の終わり方はいいのだけど、このままだと猿が人間を支配するようには思えない。……だから、最新作があるのかな。
よう

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