真っ黒こげ太郎

バトルヒートの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

バトルヒート(2015年製作の映画)
4.0
交わるのは、最強の拳。

ニュージャージーからバンコク―――。

闇の巨大シンジケートを巡り勃発した、世界を巻き込む容赦なきバトルロワイアル!!!




麻薬捜査官のドルフさんことニック・キャシディ刑事はタレコミ屋から得た情報を元に、人身売買組織のボス・ドラゴビッチを逮捕し取引現場に居合わせた三男を射殺する。
しかし、ドラゴビッチの息子達の手によってニックの妻子が殺され、ニックも瀕死の重傷を負う。
更にドラゴビッチは超法規的措置により釈放されてしまった。

ニックは復讐に燃える処刑人と化し、関係者を葬りながら情報を得てドラゴビッチを追いタイに潜入する。
FBIのリード捜査官と現地の凄腕刑事トニーがニックを追う。
タイを舞台に、壮絶な死闘が始まろうとしていた…。




人身売買組織を追う2人の刑事がタイを舞台に激しい火花を散らす、刑事&格闘アクション映画。
二大アクションスターのドルフ・ラングレンさんとトニー・ジャーさんが競演し話題となった。
(まぁ、次の「エクスペンダブルズ」でまた共演するみたいですが。w)

「イイ感じのアクション映画ねぇかなー」と配信サイトを彷徨って見つけた本作。
見た所他のレビュワーさんやファンからの評判も良さげなので鑑賞。
ほら、「エクスペンダブルズ」の4作目も来年公開予定だからね。こういうのも見て行かないと!!!
(前評判の余りの悪さに必死に目を背けながら)


話は所謂、家族を殺された刑事の復讐劇。
妻子を殺された主人公が悪党を容赦なく尋問して仇敵の情報を聞き出したり、殺しの濡れ衣を着せられて真面目な刑事に追われたり、最終的には更なる闇へ踏み込んでゆくラスト等、この手の「パニッシャー」系の物語としては割とよくあるタイプの話ではありますね。
敵側が人身売買組織という事で売春や売買問題にも触れており展開も終始ハードでシリアス。


正直な所、潜入捜査の件とか刑事殺しの容疑が晴れる展開とか、正直脚本は粗まみれではあります。
映画自体も全体的にB級感丸出しだし、難点も多め。
とは言え、好きな要素が多かったので、私的には結構楽しめました。


まず、主役2人のキャラが良いよね。
ドルフさんは躊躇なく悪党共を尋問しぶっ殺す復讐鬼役でお得意の「ヤバい巨漢」っぷりをいかんなく発揮。
(外交官の家に殴りこむ場面や売春宿で悪党を尋問する展開が容赦なくて素晴らしい。)
ジャーさんは相棒ポジとは言え、相変わらずキレまくりムエタイアクションで容赦なく悪人共をシバキ倒しており、シリアスな刑事を好演しており終始カッコいい。


アクションに関しても予想以上にしっかりしており、楽しめる。
作品によっては余り動けず、懸念されがちのドルフさんは”硬くてデカいパワータイプ”として描くことでモッサリ感を緩和。
特に中盤で展開されるジャーさんとドルフさんの一騎打ちは、「スピード系のジャーさん」と「パワー系のドルフさん」とお互いの長所を引き出してしっかりと見ごたえのあるバトルに仕上がってたのが好感触。
「エクスペンダブルズ」のジェット・リーさんとの戦いもそうだけど、スピード相手との対決の方がドルフさんのゴリラっぷり(言い方)が映えるのかもしれない。


勿論相変わらずジャーさんはバリバリに動けており、初っ端からキレッキレなアクションで敵をなぎ倒し、その後も要所要所でキメキメな格闘アクションを披露。
中ボスポジションのマイケル・ジェイ・ホワイトさんとの一騎打ちもお互いにキレッキレで良かった。

他にも銃撃戦やバイクチェイス、クライマックスの大ドンパチ等、それなりに派手な見せ場を押さえてあり、アクションの頻度も多めな為、基本的に飽きることなく楽しめました。


クライマックスの戦いは一転して犯罪組織のアジトでドンパチするコマンドアクション映画みたいなノリに。
ただ、そこでこれまであった格闘要素が一気に減少傾向になってしまうのでそこはちょっと残念でした。
ラスボス役の人は凶悪感たっぷりだったけど、ドルフとの殴り合いは大した勝負ではないし…。
後、ロケラン発射やヘリ爆破はあったけど、予算の関係か幾つかCG丸出しなのも残念…。
(でも車爆発やラストの大爆破とか、っぽくない場面もあるんだよなぁ。どうなんだろ?)


全体的にしょっぱい所も多いし、話も雑な所は多いが、それでもドルフさんとジャーさんの共演は堪能できたし、B級格闘アクション映画としてはしっかり満足出来ました。
まぁぶっちゃけ何処までもB級映画ではありますし、過度の期待は禁物ですがトニー・ジャーさんやラングレンさんのファンは見て損は無いんじゃないでしょうか。