絶対にふたりでいなければいけない社会か、絶対にひとりでいなければいけない社会か。
過度にデフォルメされているけれど、「共生」への半ば洗脳的な教化は確かに現実にも存在した/するものだし、その反発としての「おひとり様主義」も、わたしたちの社会は一通り経験してきた。誰かと生きるとはどういうことなんだろう。どうしてわたしたちのうちの多くは、そちらの人生を選択するのだろう。「愛」と呼ばれるものと、現実の生活との折り合いをつけるのは、どうしてこうも骨の折れる仕事なのだろう。
わたしたちは、欺瞞に満ちた共同生活を営む男女を嗤うし、一方でイヤホンをつけひとりで踊りに興じる人間たちの異様さを薄気味悪く思う。そしてようやく愛らしきものを見つけた男女は、そのどちらにも属することはできないまま、とんでもない運命に落ちて行く。
愛は盲目、というけれど、逆に社会に対して目を閉ざしていなければ、愛というものを貫くことはできないのかねぇ。独り身のまま動物に変えられて、欲望に従うことのほうが幸福かも知れません。いつのまにやらポッチャリしちゃったコリン・ファレルの背中に悲哀を感じる…(可愛い)
