恭介

パッセンジャーの恭介のネタバレレビュー・内容・結末

パッセンジャー(2016年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ジェニファーが出演をOKしてる時点で
ただのSFラブストーリーじゃないのは想定内。
蓋をあけてみたら、ハリウッド王道のフォーマットにのっとった宇宙を舞台にした倫理観を問うようなドラマ。

序盤はリドリー・スコットのオデッセイを彷彿させるロビンソン・クルーソー的なプラットの一人芝居が続く。唯一の話し相手のロボバーテンダーに諭されて、早々に解決策の模索を放棄するところが、理系のマット・デイモンと違うところ(笑)

最初は満喫してるように見えるお一人様生活も、やはり限界がくる。
ここまでは、多分、私も同じようになるだろう。

さて、問題はここから。

誰かの人生を自分のエゴにより奪ってまで
孤独を回避するのか?
人口冬眠から起こす、イコール、相手にも船内でその人生を全うさせる事になる。

孤独か他人の人生を奪う行為か
自分ならどうする?

この判断が、観る人をプラットのキャラクターに拒否反応を示す人、共感する人と、大きく分けてしまう。
ディズニーならまず、こんな設定は考えられないだろうな(笑)

あとは、観客がどこまでプラットに同情的になれるかどうかの描き方だが、上映時間の尺を考えると、プラットの孤独で追いつめられる過程を描くのはあれで精一杯な気もするし、もうちょっと・・・って気もする。

ジェニファーが起きてからはまさに王道路線真っしぐら。というか、そうせざるおえない。何故なら、一番重たいテーマを最初に観せているので、ここから物語を妙に捻ると誰もプラットの役に共感できなくなる恐れがある。

なので彼のキャラクターが観客から見放されないようにするには

愛する人を守る為の自己犠牲精神
これしかない。

けど、妙に捻ったストーリーより自分は王道ストーリーのままラストまでいってくれて良かった。主演がこの二人で予算をかけた大作に捻ったオチは求めていない。

登場人物が極端に少ない本作は主演の二人にかかっているので、結構なプレッシャーが掛かっていたであろうが、やはりジェニファーの演技は圧巻だった。
終盤プラットの生死が分かった瞬間の演技ったらもう・・・

ラストは一瞬、二人の・・・が頭をよぎったが、すっきりした終わり方のほうがいいかな。というか、ある俳優の出演にびっくりして余韻もなにもあったもんじゃなかった(笑)
恭介

恭介