『Filmarksさん、アップデートご苦労様です。見づらいです』
さて、まず書かなくてはならないのは「Midnight special」とはアメリカの古い古い(1900年代の初期の頃の)フォークソングだということ。
歌詞が付いたのはもう少し後で、刑務所を照らす夜行急行列車(midnight special)のライトの光を浴びると刑務所から出られるという迷信が、多数を占めた黒人の囚人の中で信じられていた事から、「ミッドナイトスペシャルよ俺を照らしてくれ」と歌っている歌です。
エンドクレジットで、歌われているのがこの曲。
これを踏まえるともう少し、この作品の理解の助けにはなるのですが。
この脚本&監督は、必要以上に説明する事は野暮だと思っているのか、なかなか物語の全貌が明らかになりません。
ぼんやり観ていると訳がわからなくなります。
牧場って何?とか二人の追跡者の目的は?とかFBIは結局何が目的だったの?とか。
冒頭の誘拐事件も何故起きて何故発覚し報道されるに至ったのかさっぱり分からない(ぼんやりとはわかるのだが)。
やがて物語は大きく舵を切り、SFとして幕を下ろします。
まあはっきり言ってクライマックスではそれほどサプライズを感じなかったので、やはり脚本にはいささかの問題があると言わざるをえないと思います。
このわかりづらい物語に最後まで付き合えたのは、俳優陣の力。
主人公夫妻のマイケル・シャノンとキルスティン・ダンスト。その友人、ジョエル・エガートン。夫妻の息子。そしてアダム・ドライバー。
彼らが皆はまり役で、何とか最後までついていけました。
特に悩める父親、マイケル・シャノンの熱演とアダム・ドライバーの力の抜け具合がとても良かったと思いました。
後タイトルの出方とか、映像的にハッとするシーンが2ヶ所くらいあってそこはかなり気に入りました。
何だかとっても惜しい一作です。
WOWOW(17.11.05録画 字幕版)にて。18.02.11
2018#013