櫻

私、君、彼、彼女の櫻のレビュー・感想・評価

私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)
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かわりばえのない毎日を過ごしていても、わたしという存在はわたしであるという普遍。映像という日記帳が、ちいさな獣のようなわたしを捉え、他者という鏡に映ったとき、すなわちわたしがあなた(彼女)にすり替わることを意味する。消滅しない個と個の断絶は、わたしやあなたや彼や彼女をそれぞれひとつの生命体として、鮮やかに残酷に歪に刻みこむ。わたしはどこまでもわたしであり、あなたはわたしにとっていつまでもあなたでしかない。
櫻