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シン・エヴァンゲリオン劇場版のDTAKのレビュー・感想・評価

4.9
【あー、シンジたち今どうしてんだろうなー!】
映画館を出て最初に出た感想。


エンディングでの宇多田ヒカル"One Last Kiss"のイントロ。

これが流れた瞬間の、もう全身が硬直したかのような多幸感!
ただただ目から流れてマスクを湿らした涙がもうね、証明してるんすよこの映画。

大傑作でした。ありがとう。

前作2012の『Q』は、
何度も繰り返す世界(メタ的にも)の<その先>を描いていたのが衝撃で、
今回どうやって落とし前つけるのかとハラハラしてたけれども、

それさえも包括してあらゆるエヴァ(TV,旧、新劇、漫画、ゲームなど)を
一点に集約させて幕を閉じた、
文字通り「さようなら、すべてのエヴァンゲリオン」だった。

2012年のQで「突然世界もみんなも変わっちまった」という置いてきぼり感から、
10年弱かけてゆっくりと追いつき、さらにその先へ踏み出していく感覚。

思い出すに心が震えたところを列挙してみる。
ネタバレ含む




















・ミサトさんがミサトさんとしての表情を取り戻すところ。
・マリがシンジのチョーカーを外して指でくるくるまわしながら、駅の外へ誘う瞬間に流れる"One Last Kiss"。
・ゲンドウがシンジをハグして色々なことに気付く瞬間。
・照れるアスカをビデオカメラで追うケンスケ。
・自分が犠牲になろうと槍を刺そうとするシンジを止めるユイ。母さん・・・
・綺麗に折り畳んだ制服と、シンプルな別れの言葉を書き残した"そっくりさん"ことレイ。
・背景を変えただけで笑いを誘う親子対決。
・髪が伸びたレイ
・ちゃんと大人になったトウジと委員長。
・鷺巣詩郎の劇伴は冒頭が特に最高。ギターかき鳴らすあたり。
・EoEの最後の海でアスカとのやりとりを踏襲したシーン。(プラグスーツが破れてすこしエロいのはアスカが呪縛から逃れて成長したからという指摘を見かけたのでそれは確かに、と思った。)
・カジさんとミサトさんの息子とシンジのツーショット。


やっぱり最後の山口宇部の駅のリアルショットが最高でした。
希望に満ち溢れてて、映画館を出た後、晴れ晴れとした気持ちになる。


もうこれで終わりという寂寥感はあるけれども、
喪失感は全くないのが意外だった。
「あー、シンジたち今どうしてんだろうなー!」と、
むしろ彼らが頼もしく思えてくるところにエネルギーをもらえた。

良かった。
最後の展開を味わうためにあと2回は観に行く。


トイレ問題:
あれだけ事前に行っても、結局ヴンダーがネルフ本部に特攻するタイミングで
こっちも我慢できずに離席してカチコミでした。
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