Adachi

お!バカんす家族のAdachiのレビュー・感想・評価

お!バカんす家族(2015年製作の映画)
3.7
うだつの上がらないメガネ親父が大陸横断の車の旅を企画する。ヘンテコなレンタカーに乗る一家に降りかかる様々なトラブルを乗り越え、果たして彼らの目的は成就を遂げるのか、、、。

エロ、グロ、ナンセンスな笑いが続々と繰り返されるので、この下品さに、ハマるか、引くか、で大きく好みが分かれそう。
もう明らかに低予算で、音楽の安っぽさも、渓流下りでの名曲のベタさもきわめてダサい。加えて次々に起こるネタがどれをとってもくだらない。ただその「くだらなさ」が生きてく上で如何に大切かを痛感させてくれる、そんな映画でもあったなという印象です。

「笑い」と「哀しみ」は本当に表裏一体だなと思うわけでして、もちろんコメディですので終始笑かしてくれる映画なんですが、実はこの映画内で誰もふざけたりはしていないのです。登場人物の一人一人が「一生懸命」に何か行動を起こして、一生懸命失敗するから笑えるのでして、下品でくだらないものではありますが、その辺りに妙な誠実さを感じ、むしろ個人的には彼らのデリカシーの無いイタさに、無性に泣けてきたりもするわけです。

映画館でもこういうコメディを放映してほしい。例えば劇場で観客とこの笑いを共有できれば本当に楽しいだろうなとも思ったりもします。
ただ受付のお姉さんに「お!バカンス家族のチケット一枚ください。」とか言うのがとても恥ずかしそうなので、やっぱり邦題には否定派に一票です。
Adachi

Adachi