嘗て長年同じ会社に勤めていた、昔馴染みの老人3人。彼らは少ない年金と社会保障でかつかつの侘しい生活を送っていたが、ある日突然、会社側の都合で年金の支給を打ち切られてしまう。このままでは家を失くし、家族にも会えずにただ死を待つ事になる。俺達にだって、家族に囲まれて人並みの幸せな生活を送る権利はあるはず！ 例え捕まって刑務所に入っても、今の暮らしよりマシなんだし！ と、3人は因縁の憎き銀行に強盗に入る計画を立てるが……。
面白かったです！！
もうねえ、マイケル・ケインが超～～～上手いんですよ！ いや当たり前ですよね？ 当たり前なんですけど、やっぱ超～～～上手いんです。ちょっととぼけた感じの、気の良いぽわぽわしたお爺ちゃん役が、本当にハマりにハマってました。
そして共演はモーガン・フリーマンにアラン・アーキンと、こちらも言わずもがなの超ウルトラ芸達者達。
更に脚本担当が、快作『ヴィンセントが教えてくれたこと』のセオドア・メルフィと来りゃ、これが面白くない訳がありません。可笑しな台詞が満載で、茶目っ気たっぷりで、且つ平和的。そしてテンポも良く、纏まりも良く、品も良い、好いコメディでした。
細かい事を言えば、犯罪を扱った映画として見た場合、ツッコミどころが幾つか無くはないんです。
でも、そんな事は私にはどうでもいい。大物俳優という名の3人の可愛いお爺ちゃん達が、和やかにキュートに気の利いたコメディを演じてくれた、それ以上に何を求めましょうや。
また、堅気のお年寄り達が初めて銀行強盗を働くという点で、本作はスリル満点でもあります。だってもう凄い危なっかしいんだもの！ ほら、 頑張って！ 転ばないで！ お金はいいから取り敢えず生きて還って来て！！ と、下手なスリラー映画よりハラハラしましたね、わたくし。
そんな、私のようなおじいちゃんおばあちゃん子の方は特に、一発KO間違いなしの素敵な映画だと思います。
